阪神が緊急トレード補強を画策していることが12日、明らかになった。今季に入り6度目の3連敗中で借金7を抱え、交流戦でも浮上のきっかけがつかめていない。球団は攻撃力アップを必要不可欠と判断し、クレイグ・ブラゼル内野手(29)に続く戦力補強に乗り出す。シーズン中の契約期限となる7月末までの国内トレード成立を模索しており、強打の右の外野手を第1候補に獲得に動く。

 阪神が上位進出の策として国内トレードを画策していることが分かった。借金7でリーグ5位から抜け出せない現状の打破に、期限の7月末までに緊急補強を進める構えだ。

 球団首脳は「戦力補強は期限いっぱいまで考えている。打てない、点が取れないのが苦境の原因なのは明らか。現場の頑張りに期待はしているが、フロントとしては国内で打力のある野手が獲得できるのであれば積極的に検討する」と話す。現在の保有選手は68人で枠に余裕もあり、トレードによる野手の補強に活路を見いだす。

 ブラゼルの“ヒット”が拍車をかける。5月28日に正式契約した新外国人のブラゼルは1軍合流後、6試合で2本塁打、5打点、打率3割1分8厘と好調で、攻撃力アップに直結した。それでも西武ドームでの西武戦(10、11日)は2戦とも1点差負けで通算3連敗中。再び借金は7にふくらみ、巻き返しの勢いが出ない。首位巨人が着実に白星を積み重ねる中、12・5ゲーム差を追いかける立場の阪神が、さらなる戦力強化に動くのは自然の流れだ。

 本拠地甲子園の特性や現在のチーム編成、シーズン中という時期的な問題もあり、理想のターゲットには右打ちの外野手が挙がる。特にチーム全体で若返りを図るパ・リーグ球団で、出場機会に恵まれていないベテランから中堅の外野手が照準となる。

 日本ハムで長くリードオフマンとして活躍した森本稀哲(28)は長打はもちろん、3年連続ゴールデングラブ賞獲得中で守備も一流だ。オリックス相川良太(32)は長距離砲として評価されながら出場機会に恵まれていない。左打ちではあるが楽天礒部公一(35)の強打も魅力で、複数の外野手が候補に浮上する。

 別の球団首脳は「とにかく打てる野手であれば右左は問わないのではないか」と説明する。今後チームへの貢献が期待できる選手の放出さえ覚悟しているだけに、21日に終了するセ・パ交流戦明けにも国内トレードが電撃的に成立する可能性が高まってきた。

 [2009年6月13日11時36分

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