<中日8-3オリックス>◇21日◇ナゴヤドーム

 中日和田一浩外野手(37)が“日本人最高の右打者”に躍り出た。

 1回1死満塁、オリックス先発平野の初球をたたいた。スライダーに泳がされながらも打球は中堅フェンスを越えた。「まっすぐ狙いでしたから少し泳がされたんですが、インパクトの瞬間は(力を)抜かれなかった」と勝利を決めた1発を振り返る。

 節目の4000打数目だった。通算3割1分5厘。「打撃の神様」と言われた川上哲治氏(日刊スポーツ評論家)をしのぎ、3冠王3度の落合監督をも上まわる歴代6位にランクイン。しかも日本人右打者としては、最も高い数字だった。「え、本当?

 監督を?

 いやいや、そんなことにはなりません。(4000打数を)だれが決めたのかは知らないけど、そういうものはすべて終わってからですから」と首を振った。

 こだわっている数字がある。「100打数ですね。100打数で35安打を目標にしています。アベレージヒッターという意識はある。だから、この数字にはこだわります」と言う。首位打者5度の落合監督は現役時代、1カ月以上の長いスパンで安打数の目標を立てたという。「1日1本」では自分を追いつめる。和田も同じで、100打数という長い期間で35本(3割5分)という目標に向かう。毎年の繰り返しが、高い通算打率につながっている。

 チームは交流戦で過去最多タイの貯金5。球界最高の右打者が、巨人追撃への勢いをつけた。【鈴木忠平】

 [2009年6月22日8時21分

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