<中日8-3オリックス>◇21日◇ナゴヤドーム

 まさに、昇り竜だ。開幕から苦しみ続けた中日が、交流戦で息を吹き返した。オリックスに8-3で完勝し、3連勝フィニッシュ。最後はリーグ再開まで4日間空くことをにらみ、7回から救援陣を順番に投げさせる会心の展開だった。14勝9敗1分けの勝率6割9厘は交流戦5年目で最高。貯金5も最多タイの成績だ。

 じわり、じわりと歯車をかみ合わせてきた。開幕から野手陣が力を出せず、もどかしい戦いが続いた。5月8日からの交流戦前最後の巨人戦では3タテを食らい、5位に転落。指揮官は「ようやくみんな動き始めたな。ここから始まると思えばいいんじゃないか」と話した。現実味のなかった予告は、少しずつ実現していく。出遅れていた井端が復調し、和田のバットも振れてきた。ブランコも打ち続けるうち、勝てる集団に生まれ変わっていた。

 交流戦は、落合竜にとってペナントを左右するカギだ。05年は開幕から20勝9敗と首位を独走しながら、交流戦で失速。慣れないパ・リーグとの戦いで最後までペースをつかめず、15勝21敗の9位に終わり優勝を逃した。翌06年は交流戦で貯金5を稼ぎ、リーグ優勝している。今季交流戦の貯金も06年と同じ「5」。首位巨人には7・5ゲーム差をつけられているが、巻き返しに向け勢いがついたのは間違いない。

 落合監督はそれでも、交流戦に関し、ひと言も語らなかった。「今日の収穫は(7回の)森野のバント。今年は3、4、5番にバントさせないでいいかと思ったけど、やっぱり無理だな」。そう話しただけで、風のように会見場を後にした。総括など、するつもりはない。ミラクル逆転優勝に向け、26日のリーグ戦再開から巨人、ヤクルトを追い詰めることしか頭にない。【村野

 森】

 [2009年6月22日11時17分

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