<横浜13-7広島>◇4日◇横浜

 「オバQ野球」が梅雨の晴れ間に顔を出し、横浜が0-5をひっくり返す大逆転勝利を挙げた。田代富雄監督代行(54)には、就任からちょうど10勝目(21敗)。うち7勝が逆転で、5点差以上が2度というのは横浜だけの記録だ。「選手にはあきらめずに頑張れ、といっている。その気持ちが出たゲームだった」とホッとした表情で振り返った。

 さい配がピシャリはまった。5回、2点を奪いなお2死二塁で代打ジョンソンを送ると、10号2ランとなって1点差に。6回、今度は代打金城が期待にこたえた。6-6とした直後の2死一、二塁から勝ち越しの2点二塁打を放った。「いい流れで、出番がきた。いつ出てもいいよう用意してますから」。金城は7回にも2点三塁打して4打点を稼いだ。

 大逆転が始まる5回、ベンチ前で駒田打撃コーチを中心に円陣を組んだ。田代監督代行も「いいタイミングで円陣を組んだ。ヤバイと思っていたからねえ」。4回まで前田健の前に無安打だった。「打席で、ベースから離れてボールを見ようと」。追撃開始の2点二塁打含む3安打4打点の石川が説明した。前日、黒星を喫した大竹から続く内角攻め。内角の意識を取り払おうとする駒田コーチのアドバイスが効いた。

 これでリーグ再開後は、4勝3敗。横浜では6月19日以来の勝ち星となった。「面白いぞ、田代」。オバQ野球を絶賛する声が飛ぶ中、ベンチを引き揚げた田代監督代行は「明日が怖いよ。引き締めてやらないと」。まだまだ喜べない本音がのぞいた。【米谷輝昭】

 [2009年7月5日7時56分

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