<中日2-1広島>◇11日◇ナゴヤドーム

 立ち上がりから苦しんでいた中日吉見一起投手(24)が試合中にフォームを修正してハーラートップタイの今季9勝目を挙げた。お立ち台ではホッとした表情で「序盤はあんまり良くなかったけど、何とか自分らしく修正できて、粘り強く投げられたと思います」と話した。

 序盤は納得できる内容ではなかった。「左手が三塁方向に向いて、クロスしていた」。グラブをはめた左手を真っすぐ前に伸ばして投げる吉見には、左手はかじ取りの役割を果たす。だが、この日は左手が正面を向いておらず「外への真っすぐがシュートして」とボールが甘くなった。

 しかし、攻撃中にベンチ前で行うキャッチボールで何とか修正。4回までは毎回安打を許していたが、5回からは3イニング続けて3人で切り抜けた。「キャッチャー方向にしっかり放っていくことだけを意識し投げた」と振り返った。

 これで広島戦は今季4戦3勝。防御率は1・59で同僚チェンを抜いて再びリーグトップ。トップを走る奪三振は96に増え、堂々の3冠返り咲きだ。「周りの人たちの助けがあってこその数字」と感謝していた。

 [2009年7月12日9時35分

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