阪神がヤンキース松井秀喜外野手(35)を含めた、メジャーでの新戦力補強の調査を開始することが21日にわかった。国際担当者が近日中に渡米する予定で、新任のアンディ・シーツ駐米スカウト(37)らと連携して、リストアップ作業を進めていく方針だ。今季が4年契約4年目で、来季の去就が注目される松井はオリオールズ戦で、メジャー通算2本目のサヨナラ本塁打を放った。松井の活躍はうれしいが、活躍しすぎて残留しても困ってしまう。複雑な心境ですな。

 阪神が来季の新戦力獲得プロジェクトをいよいよスタートさせる。三宅、山中の両国際担当が近日中にも渡米することが判明。今季から05年から3年間、阪神でプレーしたアンディ・シーツ氏と駐米スカウトとしての契約を結んだ。シーツ氏と調査方針を確認することも目的のひとつ。米球界でプレーする助っ人候補のリストアップ作業に本格的に取り組むことになる。

 今季は主砲の活躍が期待されたメンチが本領を発揮できなかった。昨年のフォードら、近年の外国人野手の補強は失敗続き。チームを建て直すためにも、今オフは確実にタテジマで成功する選手を取らなければならない。球団首脳は「ポジションは一塁、三塁、外野手で、右打ちでも左打ちでもいい。まずは幅広く調べてほしい」とリストアップの方針を明かした。メンチは今季限りで退団する予定で、ブラゼルの去就は流動的。まだ来季構想は固まっていないが、現場の要望に応えられるように調査を進めていく。

 このリストアップ作業の中で、ヤンキース松井が注目の存在になる。来季のチーム残留は微妙な状況で、幼少のころからのファンだった阪神が移籍先として浮上する可能性は十分にある。阪神が獲得調査に動くことに対しても「光栄です」と前向きなコメントを寄せている。ヤンキースと阪神は井川がポスティング移籍した経緯もあり、友好的な関係を続けている。今回、渡米する2人の国際担当がニューヨークの新球場を訪問するのは確実で、目の前で松井のプレーをチェックすることになる。シーツ駐米スカウトは米国東地区が担当エリア。5年間、日本でプレーした経験は「ゴジラ」の継続調査で生きてくるはずだ。

 渦中の松井は、この日メジャー通算2本目となるサヨナラアーチを描いた。チームを首位タイに導いた強力なパワーはやはり魅力的だ。左打ちの外野手は、現段階のリストアップ方針にピタリ。阪神は今オフ、外国人補強やドラフト戦略などで、大きな改革を敢行する予定。あらゆる可能性を模索しながら、最高のチーム編成を練り上げていく。

 [2009年7月22日11時34分

 紙面から]ソーシャルブックマーク