<阪神0-5ヤクルト>◇22日◇甲子園

 阪神が屈辱まみれの黒星で前半戦を終えた。ヤクルトに3併殺10残塁と拙攻のオンパレードで借金は今季最大14に膨らんだ。11安打を記録しての完封負けは球団史上初の悪夢。7月の負け越しも決まり、球宴前最後の試合は結果も内容も最悪となった。

 厳しい現実を見せつけられた。3位ヤクルトと、オールスター前の最終戦。本拠地での戦いで安打数は11本ずつと互角ながらスコアは0-5の完敗だ。何かが足りない今季を象徴するような黒星で借金をワーストの14に増やし、前半戦を終えた。真弓明信監督(56)は唇をかんで、屈辱を受け止めた。

 真弓監督

 入らないね。工夫がないと言えばそうだけど、その辺もこの休み(球宴休み)にやっていかないと。どこかで勢いをつけていかないと苦しい。立て直していきたい。

 11本の安打を放ちながらの完封負けは、球団史上ワースト。創設74年目で前例のない拙攻に、指揮官も低くうなるしかなかった。

 1回1死から内野安打で出塁した赤星がけん制に沈んでから、負の連鎖は始まった。直後の3番葛城が左翼線二塁打を放つちぐはぐさ。4番金本が倒れて、0行進はスタートした。

 2、4回と先頭打者の安打を次打者の内野ゴロ併殺打でつぶした。4回にはその後に連打と四球で再び満塁まで攻め立てながら代打林が一ゴロ。9回裏。2死走者なしから代打桧山と代打桜井が連打して最後の反撃を試みたが、ホームの遠さが際だっただけだ。

 試合前には前半戦終了での総括を行った。まるで解散総選挙に打って出る直前の自民党麻生総裁がそうしたように、チームの現状に対する“謝罪”もした。

 真弓監督

 なかなか勝てないというか思い通りのプレーができないチームになっている。少しけが人が出たり調子が上がらない選手もいる。うまく選手の力を引き出せなかった。

 クリーンアップ固定をもくろんだ新井と鳥谷が極度の打撃不振に陥った。真弓監督も直接指導に乗り出したが復調は果たせなかった。新外国人メンチや今岡の期待は大きく外れ、矢野や久保田、岩田、赤星らの戦線離脱も影を落とした。

 多くのマイナス要因を認めながら、自らの責任まで触れた。過去の低迷期でも、時の指揮官がシーズン中に謝罪やざんげを口にしたことはまれだ。課題の多さが改めて浮き彫りになった、前半戦最後の9連戦は3勝5敗(1試合中止)で終えた。真弓監督はゼロ以下からチーム再建に取り組む。【町田達彦】

 [2009年7月23日11時56分

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