<オールスターゲーム:全セ4-7全パ>◇25日◇マツダスタジアム

 まさか球宴新記録がかかっているとは夢にも思わなかった。7回、第4打席に立った中日井端弘和内野手(34)はオリックス金子の変化球を引っかけて遊ゴロに終わった。いつも通り無表情でベンチへ戻ると、阪神藤川にイチロー超えとなる6打席連続安打を逃したことを聞かされた。「知らなかった。アウトになってから藤川が教えてくれた。知ってて打席に立ちたかったなと後悔している。知っていればシーズン同様粘り強いバッティングができたと思う」。苦笑いしながら悔しがった。

 1番・遊撃でスタメン出場すると初回、西武涌井の直球を振り抜いて左中間を破る二塁打。2回には右翼への打球が照明と重なり稲葉がキャッチミス。幸運な適時二塁打となった。さらに5回の第3打席ではソフトバンク杉内に三塁へゴロを打たされたが、ボテボテの当たりで内野安打。第1戦では2安打しており、この時点で5打席連続安打。00年イチロー、08年内川の球宴記録に並んでいた。

 新記録を逃した悔しさをぶつけるように、9回に右前打を放って4安打目。「ベストバッター賞」の賞金100万円をゲットした。球宴2戦合計7打数6安打で打率8割5分7厘のシリーズ最高打率、二塁打3本も球宴新記録となった。全セ原監督からも「見事ですね」と賛辞をもらった。

 井端の並んだイチロー、内川はともにその年に首位打者になった。プロ12年目で初の首位打者を目指す井端には吉兆だ。「巨人勢には負けないようにしたい」。打率2位は小笠原、3位は坂本。2・5ゲーム差で首位を争う巨人勢が個人タイトルでもライバル。後半戦開幕の直接対決を前に宣戦布告だ。【鈴木忠平】

 [2009年7月26日8時40分

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