ヤンキース、ロッテ、阪神で活躍した伊良部秀輝投手(40)が10日、プロ野球独立リーグ、四国・九州アイランドリーグ(IL)の高知と正式契約を結んだ。入団会見で「やるからには日本のトップリーグ(NPB)を目指してやりたい」と話した後、高知市東部総合運動場の屋内ブルペンで捕手を座らせ31球を投げ、順調な仕上がりをアピールした。

 7割程度の力で投げたが、フォークをはじめ、チェンジアップ、カーブも捕手の構えた位置にことごとく決まり、見守った定岡監督、藤川GMら首脳陣をうならせた。04年オフに現役引退を表明したが、今年から米独立リーグ、アーマダで現役復帰していた。「あと球がキレてくれば。悪くないね。(アーマダで)十分こなしてきた。(トップリーグ復帰への)シミュレーションはしている」と自信を見せた。

 日本球界を代表した選手が日本の独立リーグでプレーするのは初めてとなる。試練も覚悟の上だ。契約では契約金、インセンティブはなく、月給は高くても18万円。メジャー時代に最高年俸412万5000ドル(約3億9180万円)だったことを考えると雲泥の差だが、新たな夢にかける思いは強かった。背番号は14。まずは初先発予定の23日愛媛戦で結果を出すつもりだ。【菊川光一】

 [2009年8月11日8時32分

 紙面から]ソーシャルブックマーク