新型インフルエンザに5人が集団感染した日本ハムは19日、さらに主力6人が体調不良で離脱する緊急事態に陥った。この日の楽天戦(旭川)は降雨によるグラウンド状態不良のため中止となったが、二岡、糸井、小谷野、鶴岡、八木、菊地の主力6選手が微熱による体調不良を訴え、試合を欠場する予定だった。18日の簡易検査で6人は陰性と診断されていたが、体調不良の原因は不明。梨田監督は「オーダーを組める状態ではない」と緊急措置で2軍の中田翔内野手(20)らを1軍へ招集。当面は大幅な戦力ダウンを避けられない状況となった。

 新型インフルエンザ集団感染が判明してから一夜明けて、日本ハムの緊急事態に拍車がかかった。18日、スレッジ外野手、宮西、金森両投手に福良ヘッド兼打撃コーチの感染が確認され、大野捕手を含め5人が離脱する事態となった。

 さらにこの日は、主力6選手が微熱などの症状で体調不良を訴えた。二岡、小谷野、糸井、鶴岡のレギュラー組に、先発ローテの八木、中継ぎの菊地が一時離脱した。いずれも37度台の微熱で、旭川市内のホテルに待機させた。6選手とも18日の簡易検査では陰性だったため、感染とは断定できない状況だが、疑いも少なからずあるため、チームには帯同させなかった。

 6選手は、すでに旭川市内のホテルで隔離されているスレッジ、宮西、福良コーチと同様に20日まで延泊。旭川滞在の計9人は20日には札幌市内へ移動し、金森、大野とともに「隔離施設」である合宿所で療養する。ただ、この日夜の段階で快方に向かっている選手もいる。20日楽天戦(札幌ドーム)の出場を含め、21日からのソフトバンクとの首位攻防3連戦(福岡ヤフードーム)への帯同など、今後の対応は様子を見て決める。

 梨田監督は「聞いた時はショックだった。これ以上、広がらないようにしたい」と苦渋の表情を浮かべた。戦力ダウンは避けられず、この日朝、2軍から2年目中田、今浪の両内野手を1軍へ招集。右内転筋の張りのため2軍で再調整していた建山も急きょ、合流させることになった。

 中止決定後、チームはバス2台に分乗して札幌市内へ移動。午後6時から簡易検査を受けていない梨田監督ら首脳陣、ダルビッシュら約50人が、自覚症状の有無にかかわらず札幌市内の病院で検査を受け、新たな感染者は見つからなかった。ただインフルエンザが潜伏し、今後、発症する可能性を警戒。小さな子供がいる選手らには、球団が用意したホテルへ宿泊する措置をとった。

 今後は事態の推移を見守るが、パ・リーグ首位を快走し、優勝マジック点灯目前のチームに試練が続いている。

 [2009年8月20日11時56分

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