<阪神2-4横浜>◇12日◇甲子園

 虎に衝撃-。阪神赤星憲広外野手(33)が3回の守備で負傷し退場、上半身のしびれを訴え検査入院した。デーゲームでヤクルトが敗れ、暫定3位タイで挑んだ横浜戦は惜敗のダブルショックとなった。クライマックスシリーズ(CS)争い佳境の非常時を乗り越えるべく、真弓監督も総力戦を宣言。5位広島も含め3チームが1ゲーム差にひしめく大激戦。手負いの虎が、今日こそは自力で3位をつかみ取る!

 衝撃的なシーンに甲子園が静まりかえった。赤星が、外野芝生に突っ伏したまま起き上がることもできない。トレーナーが駆けより、バツのマークを一塁ベンチに示した。横浜内川の先制打をつかみ取ろうと必死でダイビングした赤星はトレーナーに担がれながら、ブルペンへの通路に消えていった。

 「しびれた、というからね。しびれだけなら、これまでにも抱えていたのだけど。後半戦に入ってけが人が続いている。それこそ総力戦やね」

 真弓監督が、次々と襲いかかる苦難に顔をしかめた。赤星はクラブハウスから兵庫県内の病院に直行。これまでも悩まされていた頸椎(けいつい)の不調からくる上半身のしびれがとれず、そのまま検査入院することになった。

 巨人阿部と交錯した左ひざ負傷を最短10日間の抹消期間だけで治し、8月13日に再登録された。再びダウンした赤星だけでなく、阪神ベンチはまさに満身創痍(そうい)だ。9月に入り、桜井、ブラゼルと相次いで登録を抹消。2人に復帰のメドが立った矢先に、リードオフマンがアクシデントに見舞われた。

 3位ヤクルトの背中にしがみついていた。降雨で試合開始が48分も遅れる間に、デーゲームでヤクルト敗戦の一報が入る。「知らなかった」という真弓監督は雨上がりのナイターに集中していた。赤星の懸命のダイブが届かず、3回に3失点。先発福原を3回で交代させたのを手始めに、攻撃的な采配を緩めなかった。最終回の9回まで一度も3者凡退がない激しいの攻めで追い立てたが、逆転3位を確定させる白星はつかめず、0・5ゲーム差が残ってしまった。

 「点の取られ方が悪かった。取られ方が悪いとなかなか返せない。攻撃の流れが悪いというか、バント失敗とかね」

 攻守に、もったいない場面はめじろ押しだった。おまけに主力の負傷退場という不安要素も抱えた。だが後ろを向いてはいられない。セ・リーグの3位争いは紆余(うよ)曲折を経て、順位は変わらず試合がなかった広島だけが半歩前進。3チームが1ゲーム差の中にひしめく大混戦になった。阪神で言えば13日に3位浮上もあれば5位転落もある。総力戦で残り21戦を戦い抜くしか、日本一への道は開けない。【町田達彦】

 [2009年9月13日12時16分

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