<中日10-7阪神>◇26日◇ナゴヤドーム

 中日森繁和バッテリーチーフコーチ(54)が26日、今後は岩瀬仁紀投手(34)に代え、浅尾拓也投手(24)を守護神として起用する方針を示した。ナゴヤドームで行われた阪神戦で、3点リードの9回に抑えとして登板した浅尾が4セーブ目を挙げた。今後の状態次第では、CS、日本シリーズでも浅尾がストッパーを務める可能性も出てきた。

 3点リードで迎えた9回のマウンド。抑えを託されたのは、守護神岩瀬ではなく、セットアッパー浅尾だった。先頭の狩野には安打を許したが、後続の3人をピシャリ。阪神打線に反撃のスキを与えず、6試合ぶりの白星をチームに運んだ。思い通りの投球を披露した浅尾は「ボールのキレが戻ってきたのがよかった。僕は言われたところで一生懸命投げるだけです」と話した。

 浅尾の抑え起用は、CSに向けてのテストなどではなかった。森バッテリーチーフコーチは「(CSに向けて)試したんじゃない。浅尾じゃ悪いか?

 これからは浅尾だ。ずっと浅尾でいく」と、話した。

 チーム方針で詳細は明かされていないが、岩瀬の体には長年の勤続疲労が蓄積されているのは間違いない。順位が決まったこともあり、しばらく休ませることで、回復を待つ狙いもあるようだ。ただし、岩瀬が復活といかなければ、そのまま浅尾が抑えの役目を務める。

 浅尾の抑え昇格は、布石があった。森コーチは6月の交流戦終盤に「何かあってからじゃ遅いから」と、岩瀬の後継者として育てる方針を示した。実際に、8月28日のヤクルト戦(神宮)では9回に投入した岩瀬が勝ち越される前に浅尾にスイッチし、からくも逃げ切っている。05年以降、9回終了の試合で岩瀬が勝ち越される前に救援をあおいだことはなく、世代交代を予感させていた。

 岩瀬は今季、ここまで54試合に登板し、リーグトップの41セーブを挙げてきた。入団1年目の99年から11年連続で50試合以上に登板し、3年ぶりのセーブ王のタイトルも目前だ。だが、8月下旬には3試合続けて救援に失敗するなど異変もあった。前回登板の19日横浜戦で9回2死からの1/3イニングを抑えてからは、チームが連敗していたこともあり、登板から遠ざかっていた。

 岩瀬は常々「(疲労は)みんな同じだから、それは言わない。どんな状態でも、試合に出れば無失点で抑えることだけを考えて投げる」と、口にしている。

 落合監督は巨人の優勝を見届けた23日「この(チーム)状態が3週間続くと思うか?

 見くびるなよ」と、不敵に言い放った。巻き返しへ向け、投手編制で大きな決断を下したことになる。

 [2009年9月27日13時3分

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