ヤクルト城石憲之内野手(36)が現役引退を決意したことが、28日分かった。関係者の話によると、近日中に球団から発表されるもよう。この日、戸田の選手寮で球団と来季について話し合い決めたようだ。かねて「体が万全ならやりたい気持ちはありますが、この状況ですから」と話していたが、選手としての復帰はあきらめざるを得なかった。

 今季は腰痛に悩まされながら打撃は好調だった。2軍とはいえ3割を超える打率を残した。しかし、1軍昇格が検討されたタイミングで右ひじを負傷するなど運にも見放された。復帰に向けて腰の手術の必要性もあり、限界を感じていた。夫人でテレビ東京アナウンサーの大橋未歩さんは、腰の治療に苦しむ姿を見てきただけに「ご苦労さま」と温かく声をかけたという。

 青学大を中退し、ヤクルトの入団テストに1度落選しながら、日本ハムにテスト入団した苦労人。そこからはい上がって選手会長を務めるまでになった。「ぼくの野球人生は奇跡ですから」と振り返っていたが、CS進出を目指すチームを気遣いながら、静かに幕を下ろすことになった。

 [2009年9月29日8時22分

 紙面から]ソーシャルブックマーク