<ヤクルト5ー0阪神>◇8日◇神宮

 負けられない。その思いが、神宮球場に乗り込んだ阪神ナインをがんじがらめにした。前日7日に先発野手全員の13安打を放ち広島に快勝した打線が、決戦の地で沈黙した。

 9イニングで先頭打者の出塁は1度もなし。館山の前に散発の5安打で、今季9度目の完封負けを喫した。阪神真弓明信監督(56)は「(対館山に)いつもは走者は出して点も取るのだけど、今日は走者もなかなか出せなかった。打ちたいという気持ちが出過ぎてやられた。プレッシャーというか力み。気持ちが出過ぎていた」と悔しがった。

 敗戦後は痛烈な罵声(ばせい)を浴びせてきたファンが、バスに向かう真弓監督に「あしたは頼む」と懇願した。同監督は「もちろん。あした勝つしかないです。頑張ります」と自分に言い聞かせるように話して、バスに消えた。

 9日の今季最終戦に敗れれば4位が確定する。日本一まで通じるクライマックスシリーズ進出の道が閉ざされる。負けられない最終戦は、ここ2戦、甲子園で完投勝利を許している左腕石川が相手。打ち崩さなければ、トラの09年シーズンは幕を閉じる。【町田達彦】

 [2009年10月9日8時46分

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