14日に誕生する岡田オリックスが、阪神久保田智之投手(28)の獲得に動くことが12日、分かった。今季のオリックスは抑え陣の不調もあり、最下位に低迷。来季巻き返しへ抜本的テコ入れが必要な中、13日に球団が来季監督就任を正式要請し、14日に誕生の運びとなる岡田彰布氏(51)が、阪神監督時代に育てた鉄腕をリストアップした。左肩を痛め退団するジェフ・ウイリアムス投手(37)も獲得調査する方向。阪神時代同様、「守り勝つ野球」を目指す岡田オリックスが、古巣ルートも最大限利用して再建に乗り出す。

 いよいよ動きだす岡田オリックスが、阪神JFKの一角、久保田の獲得を画策していることが判明した。オリックスは13日、岡田氏に監督就任を正式要請する。受諾は確実で14日、岡田新監督が正式発表される見通しだ。新体制発足を機に、球団側は選手補強にも積極的に乗り出す構えで、最下位に終わった今季の反省からリリーフ陣の強化が急務と判断。岡田氏の古巣阪神から補強するプランが浮上した。

 久保田は今季真弓体制で5年ぶりに先発に転向した。だが春季キャンプで右肩を痛めて出遅れ、1軍登板は3回途中4失点KOされた1試合(7月16日中日戦・甲子園)に終わった。それでも、07年にプロ野球記録の90試合登板を果たすなど、タフさが売りの鉄腕をオリックスは高評価。守護神加藤の不振など、崩壊したリリーフ陣の再建へ向け、久保田は新ストッパーもしくは新セットアッパーを任せられる存在とみている。交換要員は阪神が補強ポイントとするパンチ力ある右打者の下山真二外野手(33)に加え、先発では中山慎也投手(27)ら若手が候補に上がりそうだ。

 阪神監督に就任した04年、「短いイニングの方が爆発的な力を発揮する」と、藤川とともに救援に転向させた張本人の岡田氏も、今なおリリーフ久保田に対する評価は高い。阪神監督時代は「毎日毎日、あれだけ何試合でも、何イニングでも投げてくれる投手はそうおらん」と話していた。オリックス先発陣は金子、岸田、山本、近藤、小松、平野ら若手が充実。対照的に抑え陣は質、量ともコマ不足で、阪神で働き場所を失いかけている鉄腕の存在は補強ポイントと合致する。

 また岡田氏が阪神監督時代に掲げた「守り勝つ野球」は、オリックスでも不変のもようだ。球団首脳は「うちでも7回以降、後ろをしっかり固定した野球をすると思います」と説明。補強やチーム内の配置転換により「オリックス版JFK」をつくることが有力だ。

 また、オリックスは、左肩痛で阪神退団するウィリアムスの調査に乗り出すことも判明した。左腕からクロス気味に胸元をえぐる投法はパ・リーグにないタイプ。肩の状態さえ戻れば、まだまだ投げられるのではと獲得も視野に入れている。今季の働きから久保田、ウィリアムスとも年俸の大幅ダウンが確実なことも、オリックスには追い風。阪神とのパイプも最大限利用し、積極補強を進める。

 [2009年10月13日11時33分

 紙面から]ソーシャルブックマーク