阪神は13日、大阪市内で行われたオーナー報告会で先発投手を重点的にFA補強する方針を固めた。後半戦は能見や岩田の活躍が目立ったが、来季の巻き返しには先発ローテーションの整備が必要であることを痛感。出席した真弓監督、坂井オーナーら現場とフロントの意見が一致した。今季FA権を取得した日本ハム藤井秀悟投手(32)やロッテ小林宏之投手(31)らが有力候補に挙がり、行使の有無も含めて、調査に乗り出す構えだ。

 チーム再建を図る真弓阪神が、投手力アップを最優先課題に掲げた。この日行われたオーナー報告会で、今オフの補強について話し合われた。真弓監督がその一端を明かした。「やっぱり悩んだのは、先発投手のところ。重点的に、と言うと、先発投手ということになる」。昨年はFAで横浜三浦を獲得できなかったが、今年もFA市場で即戦力投手に狙いを定める方針が固まった。

 今季は能見や岩田の活躍が明るい話題になったが、先発ローテーションという枠組みで見ると、層の薄さを露呈した。特に福原の不振や若手の台頭がなく、6人目の先発が決まらなかった。ベテラン下柳も1年間、フルでは働けなかった。それが今季は最大でも4連勝と勢いがつかず、大型連勝につながらなかった要因でもある。同席した南球団社長も「ほしいなと思う。私も同じ意見だ」と同調。現場とフロントの考えは合致した。

 そこで名前が浮上するのが、日本ハム藤井やロッテ小林といった実力派投手だ。特に藤井は今季の推定年俸7000万円で人的補償の不要なCランクとお買い得。貴重な左腕というのも魅力的だ。小林は言わずと知れた大型右腕で、先発陣の柱になる存在だ。ただメジャー志向という情報がある。FA権行使の有無を含めて、これから調査に乗り出す構えだ。

 就任当初の昨年オフ、真弓監督は現有戦力で戦うことを基本姿勢とした。「外から阪神を見ていて、把握している部分もあるけど、中に入ってみないと本当の力とか分からない面もあった。それでチーム作りを球団に任せて、僕の口からはあまり言わなかった」と言う。チームの中に入り、1年間のシーズンで感じる部分も多かった。静から動へ-。反省点を生かし、チームの戦力アップに積極的に動く決意は固まった。

 [2009年10月14日11時48分

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