<セCS第2ステージ:巨人2-7中日>◇第1戦◇21日◇東京ドーム

 プレーボールから10分あまり。オレ竜打線が先制攻撃で天敵ゴンザレスをのみ込んだ。初回、先頭井端が中前打で出塁すると、荒木が送りバント。ここから森野、ブランコ、和田の連打で2点を先制した。

 とどめは「6番・右翼」で先発起用された野本圭外野手(25)だった。「いい形で(打線が)つながったので勢いに乗っていきたかった。追い込まれる前にあまい球を振っていこうとだけ思っていました」。カウント1-1から内角低めの難しい球を振り抜くと打球は右翼スタンドに入った。5-0とする値千金の3ラン。二塁ベース手前で激しくガッツポーズを繰り出した。CS開始以来、初めてとなる新人による本塁打だった。

 巨人に1勝のアドバンテージがあるだけに絶対に落とせない第1戦。相手はシーズンで0勝4敗、チーム打率1割8分1厘と徹底的に抑えこまれたゴンザレス。活路を開いたのは積極打法だった。1死二塁から森野が先制の右前打を放つと、ブランコは1-1からの3球目を中前に落とし、和田も2球目を左前タイムリーとした。「1打席に1球あまい球があるか、ないか。それを逃してはいけない。それに相手はこういう試合(公式戦)は久しぶりだから、立ち上がりがチャンス。実際、2打席目は明らかに球のキレが違った」。和田が言ったように各打者が好球必打を徹底し、決定的な3ランが生まれた。わずか17球。ゴンザレスが目覚める前の速攻だった。

 第1ステージのヤクルト館山に続き、今度はゴンザレスを打ち砕いた。天敵を撃破するオレ竜の勢いは本物だ。【鈴木忠平】

 [2009年10月22日8時37分

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