2年ぶりのリーグ優勝を果たした日本ハムが、大荒れオフの様相を呈してきた。中継ぎ左腕の1人として貢献した林昌範投手(26)が11月30日、自身初の代理人を伴っての契約更改交渉に臨み、希望額に開きがあり決裂、長期化する可能性も出てきた。主力選手の交渉中盤で、同じく中継ぎの江尻と宮西に続く3人目の保留者。ビッグネームが控える今後、先行きが見えなくなってきた。

 理想と現実のギャップを直視した。約2時間に及んだロング交渉を終え林の第一声が、すべてだった。会見場にどっかりと腰を下ろし「金額を聞いてから頭が真っ白になった」と胸の内を明かした。今季年俸3500万円(推定)から1000万円以上のアップを狙ったとみられるが、球団提示は4000万円前後だったもよう。当初から初回交渉でサインする予定はなかったが、現時点では次回合意の見通しは立たない溝があった。

 公式戦46試合、ポストシーズン8試合登板、また中継ぎの特性上、登板しなかった日も出番に備え、ブルペンで投球練習行っている点の再考を訴えた。代理人の生頼(おおらい)雅志弁護士(31)は「彼の場合は非常に準備している」と争点にした。林も「僕は『ブルペンのエース』だったと思う」と自覚している、数字に表れない部分の評価を求めた。来季、先発転向の希望も伝え、この日は終了。今後は代理人と詳細を詰めていくことになった。

 島田チーム統轄本部長は「ポイント制でしっかりと査定している」と話しただけに、球団から大きく譲歩することはなさそう。中継ぎ陣に保留者続出の傾向に、林も「そういうことなんでしょう」と他のポジションと比べ、評価の差があるとの持論を展開した。日本ハム本社から供出され、チーム補強などにあてる「広告宣伝費」も一時期より減少。球団経営は、チーム成績ほど決して明るくない。両者の歩み寄りは簡単ではなく、厳しい冬になりそうだ。【高山通史】

 [2009年12月1日10時0分

 紙面から]ソーシャルブックマーク