【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)10日(日本時間11日)=千歳香奈子通信員】ヤンキースや阪神などで活躍し、今年現役復帰した伊良部秀輝投手(40)が、引退を決意したことが分かった。ハリウッドで行われた映画関係のパーティーに姿を見せ、11日(日本時間12日)にロサンゼルスの病院で故障した右手の最終検査を受けることを明かした。これまでの状況から手術が必要と診断される可能性が高いが、「自分の中で決めました。年も年だし、手術するくらいなら、ボールを置きます」と断言した。

 04年まで阪神でプレーした伊良部は今年4月、米独立リーグで5年ぶりの現役復帰を果たした。全盛期には及ばないものの、140キロ台の速球が戻り、10試合で5勝を挙げた。8月には四国・九州アイランドリーグ高知へ入団。日本プロ野球(NPB)復帰を目指していたが、わずか2試合に登板した後、右手首腱鞘(けんしょう)炎のため、9月14日に退団した。

 自身のブログによると、伊良部は退団後の9月23日に米国で手の専門医による診察を受け、右手は腱鞘炎に加えて神経の炎症もあると診断された。11月5日に再検査した際には、投薬治療では症状は改善されず、注射を受けることになったと書き込んでいた。

 日米通算104勝を挙げた右腕は、引退後について「子どもが学校を終えるまでは米国で暮らしたい」と話した。88年ロッテ入団から始まったプロ野球人生が、ついに終幕を迎える。

 [2009年12月12日9時29分

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