【ゴールドコースト(オーストラリア)14日=広瀬雷太】優勝旅行先で巨人坂本勇人外野手が21歳の誕生日を迎え、誓いを立てた。今季は1番に定着し02年以来の日本一に貢献したが、まだまだ発展途上。さらなる成長を期待する原監督から「日本を代表する選手になれ!」とハッパをかけられ、日本一の遊撃手になることを誓った。来季の目標にはフルイニング出場を掲げ、4年後のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本代表入りにも意欲を示し、「世界のサカモト」を目指す。

 これまで寒い時期に誕生日を迎えてきた坂本にとっては、初めての体験だった。南半球のオーストラリアは夏真っ盛り。プールサイドでケーキのろうそくを吹き消し「海外で誕生日を迎えるのは初めてなので新鮮ですね。今年はすごくいい1年だったので、来年はもっといい1年になればいいと思います」と、こんがりと日焼けした顔をほころばせた。

 入団3年目の今季はシーズン序盤から1番に定着し、勝負強い打撃で日本一に貢献。11月の契約更改では松井(ヤンキースFA)と並び高卒4年目で年俸8000万円に到達した。すっかり球団の顔になった坂本に、周囲は「球界の顔」へ成長することを期待している。原監督は「巨人を代表する選手になりつつある。次は日本を代表する選手になっていってほしい。そういうステージまで行かなければいけない選手」とさらなる成長を促した。

 この言葉を伝え聞いた坂本は表情を引き締め、日本代表への思いを明かした。「野球をやっている以上、トップクラスになりたいというのは誰でも思ってること。そこを目標にして小さいころからずっとやってきた」。サムライジャパンの正遊撃手争いは激戦区。4年後のWBCで中心選手になるためには、西武中島ら強力なライバルが立ちはだかるが「まずはチームの中でしっかりと結果を残すこと。そうすれば自然とそういうものにも選ばれると思う」と冷静に来季へ視線を向けた。

 今年のシーズンで夏以降に成績が落ちた反省を生かし、来年は夏バテせずに年間を通じて安定した数字を残すことが課題だ。坂本は「フルイニング出場が目標」をあらためて宣言し、「(18本の)本塁打は今年以上の数字を。1番なら出塁率と打率にこだわる」と明確なノルマを自らに課した。退寮が許可された坂本は、既に都内に2LDKのマンションを借り、V旅行後に引っ越す予定。年末年始もほぼ無休でトレーニングを続け、来年1月は昨オフに続いて阿部とともにグアム自主トレで体をいじめ抜く。

 [2009年12月15日8時11分

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