監督辞めてもボヤキは永遠に不滅です-。楽天野村克也前監督(74)が20日、監督退任後初となる地元仙台での講演で、今年の流行語大賞にもなったボヤキをさく裂させた。球団は名誉監督就任を要請し、野村前監督も受諾の意向を明らかにしているが、いまだに正式発表がない状況。ノムさんは「なんで(球団は)発表しないの?

 おかしいんじゃない」とチクリ。4年過ごした仙台でボヤキ節全開だった。

 最低気温が氷点下の仙台の厳しい寒さに、野村前監督のボヤキの虫が騒ぎ出した。午前中に仙台市民栄誉賞に相当する「賛辞の盾」の表彰を受け、午後からは「脳トレ」で知られる東北大・川島教授との対談形式の講演会に出演した。球団初のクライマックスシリーズ進出に導いた凱旋(がいせん)講演だったが、舞台裏では次々にボヤキが飛び出した。

 司会者に「楽天名誉監督の野村克也さんです」と紹介されて壇上に上がったものの、球団が正式発表していない状況に業を煮やしたのか「名誉監督って(楽天には)歴史もないのに名誉になるの?

 口止め料、暴露本を止めるためだろ。なんで発表しないの?

 おかしいんじゃない。この前楽天の本を出したけど、(名誉監督で)書きたいことが書けなかった。おもしろくなかったろ」と口をへの字に曲げた。

 今季限りで橋上ヘッドコーチら計8人のコーチ陣が解雇されたことにも「前代未聞だ」とふくれっ面で振り返った。台湾から入団させたインチェ、林恩宇の2投手が活躍できずに退団したことを持ち出し「台湾の選手に何億もかけて、誰が責任をとるんだよ」。6日の講演では名誉監督の仕事について「しゃしゃり出ない、口も出さない、無関心」と話していたが、早くも前言撤回。「楽天の将来が心配だよ」と、名誉監督の仕事とばかりに編成方針にも疑問を呈した。

 講演後はテレビ番組収録のため、足早に帰京。新幹線に乗り込む際には「(米田球団代表に)あらためて話があるんだ。そう言っておいてくれ。言付けだよ」と意味深長な発言。最後には「よいお年を」と笑顔で言い残したが、年が変わっても強烈なボヤキ節は続きそうだ。【小松正明】

 [2009年12月21日8時12分

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