増量断念で150キロ達成?

 広島前田健太投手(21)が5日、堺市の阪堺病院のトレーニング施設で自主トレを公開した。今季の目標に「投球回数200回と2ケタ勝利」を掲げる若きエースは、ストレートの最速を未知の150キロにアップさせることを宣言。これまで球速アップするための体重増作戦に取り組んできたが断念。これまでのトレーニングの積み重ねで大台突破、目標達成を目指す。

 前田健は自信満々に言い切った。「今季は最速150キロを出したいですね。昨季は149キロ出たこともあるし、そろそろ出るんじゃないでしょうか」。今季の目標は投球回数200イニングと2ケタ勝利。その目的に到達するために、ストレートの威力を増すのが目標だ。「まっすぐが良ければ変化球も生きてきますから」と若き右腕は不敵に笑った。

 手応えをつかんでいるからこそだ。この日、PL学園時代から通う阪堺病院のトレーニング施設で本格始動し、約3時間汗を流した。オフは走り込みやウエートトレーニングをこなしている。積み重ねることで毎年成長を実感。「1年間ローテーションでやるだけで力がつく。昨季後半戦でまっすぐも何かつかんだ感じがありますから」と胸を張る。

 これまでは「体重増で球速アップ」を目指し、炭酸飲料を飲んだり菓子パンを食べたりと努力してきたが、シーズンを通して体重72~73キロは変わらなかった。かつての先輩で2年ぶりの古巣復帰が決まった高橋建(前メッツ)からも「今の体重で十分投げられているんだから、無理して増やすことはない」と助言を受け考え方を変えた。「こういう体形でずっとやってきたし、年齢がいけば体重も増えるはず。自然体で球速増を狙います」。

 年末年始は伊勢神宮にお参りするなど久々に家族でゆったり過ごした。1月半ばからは沖縄自主トレに出発。キャンプでは球数を投げ込むタイプではないが、野村新監督のもと数日に1回は100球超の投げ込みもする予定。4年目を迎えたマエケンが、さらに迫力を増す。【高垣誠】

 [2010年1月6日11時12分

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