中日の新外国人選手、ディオニス・セサル外野手(33)が5日、日刊スポーツの取材に応じ、打率3割、40盗塁を今季の日本での目標に掲げた。昨年はメキシカンリーグでMVPに選ばれており「日本でもMVPが取れれば最高だね」と、2年連続のMVP獲得を目指す。尊敬する打者はマリナーズ・イチローだといい「日本でイチローのように活躍して、チームが優勝できるように頑張りたい」と抱負を語った。【取材・構成=福岡吉央】

 オレ竜期待の新助っ人セサルが、1月末の来日を前に、打率3割&40盗塁を宣言した。「オレはアベレージヒッターだから、打率は3割は残したい。足も武器だから盗塁は40個以上したいね。本塁打はどれくらい打てるか分からないけど、打率と盗塁にはこだわりたいんだ」。昨年、メキシカンリーグでMVPを獲得した男は、日本での活躍も力強く約束した。

 アメリカのマイナーとメキシコで15年間プレー。そして33歳になって選んだ新天地が日本だった。これまで手にした給料は、多くても月給数万ドル(数百万円)。それだけに、中日がオファーした25万ドル(約2250万円)という年俸も大きな魅力だった。

 「日本の野球はすごくレベルが高いと聞いていて、いつかプレーしてみたいと思っていたんだ。4人の家族を養うための給料も、今までで一番いいしね。友人のブランコやフェルナンデス(元オリックス)からも日本の話は聞いていたし、どれだけ活躍できるか、自分でも楽しみなんだ」

 目標とする選手はイチローだ。「オレと同じタイプの打者だし、とても尊敬している。目標でもあるんだ。イチローのように日本で活躍することができればうれしいね」。ポジションは内外野をともにこなせるが、中日では外野を守ることが濃厚。「内野も外野もどこでも大丈夫。昔はピッチャーだったし、試合でも2試合投げたことがある。打順だってどこでも来いさ!」と、笑い飛ばした。

 今オフのドミニカ・ウインターリーグでも、アギラスの主軸として42試合に出場。メジャーでプレーする選手も数多くいる中、リーグ10位の打率2割9分7厘の成績を残しており「調子はいいよ」と、状態も良さそうだ。

 日本はメキシコよりも約1・5倍長い年間144試合の長丁場になるが、こちらも気にしていない。「アメリカだって同じくらいシーズンは長かったし、まったく問題ない。チームのためにいい成績を残して、優勝できるように頑張りたいね」。そして「メキシコに続いて、日本でもMVPが取れれば最高だね」と、笑顔でつけ加えた。

 [2010年1月6日10時58分

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