3年目を迎える日本ハム中田翔内野手(20)が、ド派手に新シーズンを滑り出した。7日、都内のグラウンドでロッテ西岡剛内野手(25)らとの合同自主トレで始動した。運転免許取りたての中田は、高級車でさっそうと登場し、髪形もえとにちなんで「虎カラー」とド派手にスタートを切った。“らしさ”全開で気合を示し、10年の第1歩を踏み出した。

 合同自主トレ初日、白い高級車から、寝起きでテンションの低い、大柄な男が降りてきた。バットを担ぐ太い腕に、日に焼けた黒い肌。紛れもなく、中田だ。昨年末に運転免許を取り、さっそく愛車を購入していた。

 「(免許試験は)一発合格や。集中したら取れんねんな。(購入を検討していた)ハマーは大きすぎるから」。昨オフに希望していたドイツの高級車マイバッハや米車ハマーは断念したものの、国産最高級で新車価格は1500万円以上するレクサスLS600hLで、ド派手に登場した。新古車とみられ、知人を介して購入したため“値引き”されているとはいえ、推定年俸1200万円の大半を失う大きな買い物。ただハイブリッド車と、環境にはしっかり気を使った“相棒”に「後ろ(の席)がバリ広いんです」と満足そうだった。

 さらに目を引いたのが、ニット帽の下から現れたヘアスタイルだった。金色のラインが入り、一見すると虎もよう。「寅(とら)年を意識?

 そうです。意味もなくこんな髪形にしないですよ、ダサい」と不敵に笑った。ただ実は美容院に行く時間がなかっただけのこと。西岡から「自己主張することはいいこと。でも成長してないね」とツッコまれ、「すぐ黒に戻します」と苦笑いした。

 型破りにみえるスタートは、今季へかける意気込みの証しでもあった。「3年目だし、危機感は感じています。(挑戦する)外野でレギュラーを取りに行く気持ちでやりたい。完ぺきにこなせるようになって、認めてもらえるようになりたいです」と目標に関しては謙虚に話した。注目を浴び、大きな期待を受けながら、満足な成績を残せていない現状に決別すべく、あえて自分にプレッシャーをかけた。

 初日のこの日は、ノックやティー打撃まで、約6時間のハードなメニューをこなした。「アピールも大切だけど、自分は自分のやりたいように。やり方がどうかは関係ない。結果を残すことが大事」。話題性だけでなく、プレーヤーとしてもチームにとってなくてはならない存在になるため、死力を尽くす。【本間翼】

 [2010年1月8日10時18分

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