2年ぶりに広島に復帰した高橋建投手(40)が8日、廿日市市内の大野室内練習場で自主トレを行った。4月には41歳になるベテラン左腕は、部門別のカープ投手の歴代記録で上位にランクされており「歴代上位入りできるかもしれないのはうれしい」とモチベーションに変えて、先発ローテ入りと球団史上初の40歳代2ケタ勝利を目指す。

 この日、高橋は大野練習場でランニング、キャッチボールなどで約2時間汗を流した。年末年始は横浜へ帰省し、家族と原宿や渋谷、横浜駅前などで買い物に出かけるなどリラックスした時間を過ごした。5日から大野練習場で自主トレを開始した。

 昨季は念願だった大リーグで1シーズンを過ごし、オフに古巣に復帰。「昨年の今ごろは移籍先が決まらず、不安になったり迷いもあったけど、今年は方向性も見えているので入り込める気がします」とすっきりとした表情で話した。

 キャンプインまでに、ケガをしない体作りを心掛けながら調整する。「キャンプでは若い子の練習について行ければ大丈夫だと思います。でも体と相談しながらですけど。大野さんも分かってくれていると思います」とベテランらしく落ち着いたペースで臨む。

 発奮材料がある。先日、広島の歴代記録を目にする機会があった。投手の歴代記録には、自分の名前も上位にランクされていた。例えば通算最多登板数では大野豊ヘッド兼投手コーチ(54)の707試合が1位で、高橋は433試合で8位にランクイン。奪三振数では通算1049個で池谷の1056個に次いで11位だ。高橋は「歴代のトップ10に食い込めるかもしれない、というのはすごくうれしかった」と笑った。

 大野コーチの存在が高橋の励みにもなっている。新人のとき、ロッカー室で隣になって以来、同じ左腕投手としてあこがれ、尊敬してきた。「身近に感じて過ごして、成功した方。また一緒にやれるのはうれしい」と目を細める。大野コーチは43歳まで現役を続け、40歳以降に19勝をマークした息の長い投手だった。

 4月に41歳になる高橋は「必要とされるポジションでチームに貢献したい」といいつつも、個人的な今季の目標として先発ローテに入って球団初の40歳代2ケタ勝利を掲げている。その点でも大野コーチは絶好の手本となるはずだ。「(歴代記録などで)大野さんに近づけることがうれしいし、励みにもなります」と話す高橋の挑戦が始まった。【高垣

 誠】

 [2010年1月9日11時11分

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