ソフトバンク多村仁志外野手(32)が目標の144フル試合出場に向け、4年ぶりに単身生活を解消する。多村はトレード加入した07年以降、家族を横浜に残し、福岡では3年間のホテル住まい。このオフ家族会議を開いた結果、3人目の子供が生まれたこともあり「福岡に引っ越す方向で話し合っています。それが濃厚。決まってはいないけれど」と話した。すでに知人を通じて物件探しに入っており、頼もしいパートナーと自身初のシーズンフル稼働へ挑戦する。

 家族の存在が体とハートを強くする。昨年末からメンタルトレーニングにも乗り出しているが、家族同居となれば生活環境も大きく変わる。多村は本拠ゲームの際、ホテルでマッサージを受けるのが恒例。マッサージ後では飲食店の営業時間が終了してしまうことから、わずか30分ほどで食事を済ませるケースが多かった。だが、いつでも夫人の料理が食べられる環境になれば、そんな心配もなくなる。さらに、3人の子供との時間で、リフレッシュをはかれるため、精神的にも安定感が増す。

 多村

 これまで振り返ると、精神的に弱すぎたなあと思う。技術や体はそうそう変わらないが、野球は9割がメンタル。そういうところに行き着きました。

 もちろん、体力強化も順調にきている。週5日の筋力トレで、体重はベストに近い82キロをキープ。「僕たち選手は将棋の駒」と打順や守備位置に、こだわらない姿勢をのぞかせた。秋山監督も「持っている能力はすごい」と期待を寄せるスラッガーが、プロ16年目の今季、飛躍へのきっかけを得そうだ。

 [2010年1月11日11時8分

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