赤星さんの「色」も受け継ぎます!

 阪神の新人8選手が11日、兵庫県西宮市内の虎風荘に入寮。ドラフト5位の藤川俊介外野手(22=近大)は「赤星モデル」のバットケースを自室に持ち込んだ。昨季限りで現役引退した赤星憲広氏(33)を尊敬し、プレースタイルだけでなく赤星カラーの赤色も身にまとっていく覚悟。同じセンターを守った大先輩の後継者を狙い“レッド藤川”として身も心も赤色に染まる。

 戦闘基地に秘密兵器を持ち込んだ。紆余(うよ)曲折を経て、やっとたどり着いた入寮日。藤川俊は新しく手に入れた自慢の相棒を、自室の壁に立てかけた。

 「ゼット社の方に『赤星さんを目標にして頑張って下さい』と渡されました。前々から欲しかったので、僕から(欲しいと)言いました。赤星さんは僕が目標とする選手なので」。

 白地に赤色のラインが入り、星型のマークが輝く。昨季限りで現役引退した赤星氏が使用していたモデルのバットケースだ。大学時代からゼット社の製品を使っていたが、プロ入りを機に念願の1品を入手。それほど、同じセンターを守っていた大先輩を尊敬している。だから、その“魂”も受け継ぐ覚悟だ。

 「僕も赤が好きなんで受け継いでいきたい。大学時代も(リストバンドなどで)よく赤色を使っていた。いきなり全部、赤とはいかないけど、できるだけやっていけたら。少しずつ、自分のカラーと思って頂けるようにしていきたい」。

 赤星と言えば、リストバンドなどの戦闘アイテムを赤で統一していることで有名。藤川俊はプレースタイルだけでなくカラーも継承。球界屈指のスピードスターに、内面からも外見からも1歩ずつ近づこうという考えだ。

 50メートル5秒台の俊足を進化させる新スパイクも、大先輩を意識して注文した。「走力をアピールしたいのでこだわりました。赤星さんの(スパイク重量)近くまで軽くしてくれるそうです」と胸を張る。現役通算9年で球団記録の381盗塁をマークした赤星氏は、300グラムを大きく切るスパイクを使用していた。同じ日本最軽量クラスの相棒が手に入れば、プロ生活スタートにも弾みがつく。

 ドラフト後、阪神と東邦ガスで進路先に悩み、1カ月半で体重が5キロ以上も落ちた。そんなハンディもほぼ克服した。1日6食を敢行し、ベスト71キロまであと少し。「今は70キロちょい。もう体重にはこだわっていません」と笑顔も見せた。最大の不安をぬぐい去り、13日には新人合同自主トレが幕を開ける。身も心も赤色に染めて、開幕1軍スタートへの挑戦を始める。

 [2010年1月12日11時24分

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