鉄人も衰えを感じていた-。阪神金本知憲外野手(41)が17日、大阪市内でアンチエイジングを題材にしたトークショーに参加。不完全燃焼だった昨季を振り返って「正直ここ1年ぐらいは(年齢を)感じていた」と告白した。もっとも、07年から2年連続で行った左ひざ手術による影響であった可能性もあり、衰えの原因が年齢なのか故障なのか、実態は不明。今オフは3年ぶりに万全で自主トレしており、ベストで臨む今季が本当の理由を知る1年になる。

 41歳の鉄人が、初めて衰えについて口にした。トークショーで「年齢を感じることがありますか?」という質問に、真顔で答えた。

 金本

 正直ここ1年ぐらいは(年齢を)感じていた。トレーニングしている時、練習中に痛める時が2、3回あったので。(自分を)追い込みたいけど追い込めないというのがあった。

 「老い」とは無縁と思われた鉄人が、体の変化を感じていた。昨季は、08年11月の左ひざ手術のためにオフはリハビリ。開幕前には右足内転筋を痛めた。「開幕のその日にバチッと痛めてもおかしくない状態だった」。4月は1試合3本塁打を2度記録したが、終わってみれば打率2割6分1厘。不本意な年だけに、41歳の年齢が頭をよぎった。

 もっとも、原因は加齢ではなく、2年連続左ひざ手術の影響も捨てきれない。たゆまぬトレーニングで肉体を作り上げてきた金本にとって、オフのブランクは大きな意味を持つ。金本は内なる変化の正体について「それが年齢からくる衰えか、ひざの手術の影響によるものか?

 この1年でわかると思います」と言った。

 今季は3年ぶりに手術なしで臨む。14日から鹿児島・徳之島で自主トレも敢行した。「過去2年はひざの手術でリハビリばかりだったんですが、今年は全力に近いぐらいで走れるぐらいのコンディションに仕上がってしまいました」。納得のオフを過ごし、2月1日のキャンプ初日を迎える。

 金本は「けがはアクシデント。故障は自分の怠慢。走って肉離れとか腰を痛めたとかは故障。故障する選手はダメ」と言った。残り26試合で節目の1500を迎える連続フルイニング出場について「普通に開幕を迎えてアクシデントがなければいくかなと。ただ油断だけはしないようにしたい」。自分の肉体に問いかける1年。大樹のように、年齢を重ねるほどたくましくなる-。衰えなど感じないシーズンにしてみせる。

 [2010年1月18日11時14分

 紙面から]ソーシャルブックマーク