広島高橋建投手(40=前メッツ)が18日、広島・廿日市市内の大野室内練習場でブルペン入りした。捕手を立たせての30球。いきなり変化球を交えるなどの熱投で、今年初のブルペンを楽しんだ。2年ぶりの古巣復帰でチーム内でのローテーション死守へ意欲満々。キャンプ初日からブルペンに入れる早仕上げ宣言も飛び出した。

 ストレートに変化球を交え、高橋の今季初ブルペンは捕手を立たせたまま30球、軽快に投げ終えた。4月に41歳になるベテランとしては、立ち投げとはいえ早い時期のブルペン入りだが、高橋は「たまたま空いていたから投げただけだよ。入る時期が早い?

 さあどうだろう?

 まあ空いてたからね」と笑顔ではぐらかした。そして「やっぱりマウンドで投げると気持ちがいいね。傾斜があるところで投げられてよかった」としっかりと手応えも得ていた。

 米メジャーリーグメッツから2年ぶりに古巣に復帰した今季に、並々ならぬ決意で臨んでいる。自分がいなかった1年間に、前田健がエース格に成長し、左腕の斉藤も9勝を挙げるなど若手投手が実力をアップさせてきた。今季の目標を先発ローテーション入りと2ケタ勝利に置く高橋も、まずはキャンプからアピールしなくてはならない立場だ。「若手を引っ張ることはさすがにできないけど、ついていこうとする努力はしている」と特別扱いは受けるつもりはない。

 この日、野村監督は「(高橋は)1年1年が勝負になるかもしれないが、そういうことは自分でもよく分かっているはず。(調整法などは)任せているし、こちらからとやかくいうつもりもない」と、調整面でも全幅の信頼を置いていることを明かした。しかし、まだ首脳陣と調整法などについて話し合っていない高橋本人は堂々と早仕上げを宣言。「キャンプで初日から(ブルペンに)入れと言われれば入れる状態にしておきたい」と、こちらも若手に負けるつもりはない。

 朗報もある。今季から使用球がミズノ社製に変更になった。高橋は「ミズノ製は好きなボール。飛ぶイメージがあるが指にしっくりくる方がいい」と変更を歓迎している。球場も旧市民球場ではなく広いマツダスタジアムに変わっており、投手にとっては「勇気を持って投げられる球場になった」と飛ぶボールでも問題なしとみている。ベテラン左腕は、早めの調整で自らのポジションをつかみとる覚悟だ。【高垣

 誠】

 [2010年1月19日11時25分

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