アテネ五輪メンバーで構成する「長嶋茂雄ドリームプロジェクト」が23日、千葉・幕張メッセで開かれ、巨人長嶋茂雄終身名誉監督(73)が、6年目の開催にして初めて壇上であいさつした。紹介を受け、徳光アナの介添えを受けながら階段を上がると「みなさん、今日は投げるのも打つのも走るのも、一生懸命頑張ってください。分かりましたか」と子どもたちに呼びかけた。長嶋氏らしい柔和な表情だった。

 実際、回復は進んでいる。毎日1時間の散歩とさらに1時間の筋力トレーニングを欠かさない。まひの残る右足でも40キロの重りを持ち上げられるほど。冗談で「ゴルフをやりたい」と言うこともあるという。新聞も一般紙からスポーツ紙まで全紙をくまなく読み、芸能界の訃報(ふほう)まで詳しく知っている。今回、選手たちとの接触機会を増やすため、イベント参加者の数が1155人と、例年の半分以下になっていたが、それにもすぐに気がついた。一緒に観覧した巨人滝鼻オーナーに「今年はいつもより少ないね」と言って会場を見渡し、滝鼻オーナーを驚かせた。

 体調がいいだけに、キャンプ地訪問を楽しみにしている。巨人の宮崎キャンプは2月20日前後に訪問する予定。「長野を見てみたいね」と新戦力の名前を挙げた。それだけではない。「菊池くん?

 もし時間があれば見てみたい。やっぱりいいピッチングをするし」と話し、同じ宮崎県内の西武・南郷キャンプ視察にも意欲を見せた。ミスターの精力的な動きが、プロ野球界を活気づけてくれそうだ。【竹内智信】

 [2010年1月24日8時42分

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