さあ、Vへのスタート!

 広島が25日、宮崎・日南で行っている春季キャンプを打ち上げた。猛練習を予告していた野村謙二郎監督(43)は「充実していた」と話すなどナインの動きを高く評価した。守備や走塁でカバリングや送球、相手のスキを突く走塁などを徹底して追求。細かい野球を目指す意識は確実に浸透した。26日のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)を皮切りにオープン戦16試合を戦う。

 キャンプの「採点」はあえて白紙とした。春季キャンプを終えた野村監督は鍛練期の総括に点数をつけることを拒んだ。その姿が、逆に確かな手ごたえを表現した。“満点”と言えるだけの充実感を言外ににじませた。

 野村監督

 よく(質問で)聞く話ですが、点数はつけようがない。シーズンが終わったときに、つけたいですね。ただ、いいキャンプを送れた。これだけは間違いない。勝つための第一段階として、準備は進んだんじゃないか。選手も非常にやる気ですから。

 沖縄、そして日南へ。午前中から実戦守備走塁練習を実施。9人が守備位置に散り、走者をつけてノックを打つもの。アウトカウントから状況を想定して、守備や走塁でのミスをあぶりだしては確認した。特打、特守、球数制限を撤廃した投げ込み…。練習後は、さらに夜間練習やミーティングもこなして「頭も体も疲れる」(野村監督)と告げていた通りの野球漬けの日々だった。

 野村監督

 まずは頭で理解することが必要。内野、外野、投手、捕手…。ミーティングをして決め事や、野球の方向なども話し合った。1球1球、集中して練習できたと思います。

 机上の空論ではなく、フィールドでも結果を残した。20日の練習試合巨人戦。1回に打者3人でエンドラン、盗塁を絡めて2点を奪った。機動力野球を鮮やかに実践。質にも量にもこだわったキャンプの成果が出た格好だ。指揮官はオープン戦でも手綱を緩めない。26日はソフトバンク和田と対決。明日27日には杉内との対戦を控え、好調な打線にとって実力を試す絶好の機会だ。

 野村監督

 あくまでシーズンのためのキャンプ期間だから。オープン戦の戦い方が大事になってくる。勝ちにこだわりたい部分はあるけど、最終的に開幕に向けてベストの状態にできればいい。(チームとして)変わったことを隠すということも考えていない。

 あくまで地に足をつけてドッシリ戦う。キャンプの収穫をいかに揺るぎなき実力に変えるか。野村カープが、日南からVへの挑戦を始める。【酒井俊作】

 [2010年2月26日10時42分

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