<ヤクルト0-4広島>◇18日◇神宮

 建さんで「必勝カルテット」が完成!

 2年ぶりに古巣復帰した広島高橋建投手(40=メッツ)が18日、ヤクルト戦(神宮)で今季初の連投に臨んだ。8回に登板し、3者連続空振り三振。開幕からリリーフ陣の「勝利の方程式」の一角をになうことが決まった。ここまで投手陣の乱調で3連敗中だったが、この日はオープン戦2度目の完封勝ち。セットアッパー建さんが試合終盤を引き締める。

 若々しいマウンドさばきがチームに勝利を呼ぶ。1カ月後の4月16日に41歳の誕生日を迎える高橋が、鮮やかな奪三振ショーを展開した。4点リードの8回。先頭中村を内角低めスライダーで空振り三振に仕留めると、続く飯原のバットにも空を切らせた。最後は梶本を速球で片づけ、3者連続空振り三振。追うヤクルトの戦意を奪った。投手陣を預かる大野ヘッド兼投手コーチの腹も決まった。

 大野コーチ

 ケンが、いい内容で投げてくれている。あそこに彼がいて、流れを持ってこれる。右打者でも抑えられる心強さがあるからね。

 高橋は、春季キャンプ前に左ふくらはぎを痛めた影響もあって出遅れていた。しかし、前日17日の巨人戦(東京ドーム)に続き2日連続で1回を完全に抑え「連投テスト」に合格した。これまで先発、救援として433試合に登板した実績もあり、開幕からは「勝利の方程式」の一員として、フル回転する。調整遅れのシュルツと、不調の横山の復調は欠かせないが、梅津を含めた昨季までの右腕3投手に加わり、鉄壁の「必勝カルテット」で守護神永川につなぐ構想だ。

 メジャー帰りの高橋は「(メッツ時代の)去年(広島時代の)一昨年と見ていて、僕のなかではリーグで1、2を争う中継ぎ陣だと思っている。そんな『方程式』に入れるなら、うれしい。みんな常に調子がいいわけではないから」と話す。お互いをカバーし合って、長いシーズンを共闘する覚悟。再入団が決まった当初は先発要員として期待されたが、当面は救援でスタンバイ。全力で腕を振る。

 「与えられたポジションを、今はまっとうしたい。スキあらば、やりたいこともありますけどね。どんな内容でも最終的に0点で抑えられたらうれしい。(連投も)問題ないです。まだ若いということ!」

 先発への色気も隠さないが、何よりもチームの勝利を最優先する。試合終盤をいかに抑えるかが、勝敗を大きく左右する。数々の修羅場を乗り越えてきたサウスポーが、接戦を制するための投球に徹する。【酒井俊作】

 [2010年3月19日11時30分

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