阪神がジェイソン・スタンドリッジ投手(32=フィリーズ3A)を獲得することが3月31日、明らかになった。先発投手陣に不安があるため、緊急補強に動いていた。早期のチーム合流を実現させるため、メジャー球団のロースターもれ&日本球界経験者を重視。ソフトバンクに在籍したスタンドリッジが条件に当てはまった。193センチの長身から150キロ前後の直球を投げ込み、07年には先発5連勝を記録した右腕だ。交渉は順調で、近日中にも正式契約を交わすことになる。この日は広島に勝って開幕2カード連続勝ち越し。新助っ人獲得でさらに勢いづく。

 開幕ダッシュを加速させる待望の右腕が間もなく日本にやってくる。阪神がスタンドリッジの獲得を決めた。07年のシーズン途中にソフトバンクに入団。新外国人では史上3人目となる先発5連勝を飾るなど7勝を挙げた。翌年には右肩痛もあって退団したが、昨年オフのウインターリーグで復調ぶりをアピール。球団の補強リストに加わった。193センチの長身から150キロ前後の力強い直球を投じカーブ、スライダー、カットボールが武器だ。

 阪神は開幕前に先発投手陣の不安を露呈した。エース候補だった岩田が痛めていた左ひじを手術し、前半戦の復帰が絶望的となった。期待の新戦力フォッサムもオープン戦の乱調が響き、開幕を2軍で迎えた。駒不足は明らかで、球団は緊急補強に着手していた。その中で、最も重視していたのが「スピード」だ。メジャー球団でプレーする投手も調査していたが、ロースター(登録枠)からもれるのを待っていたのでは遅い。球団首脳は「4、5月を乗り切ることが何よりも大事だ。とにかく早く来てもらえるように、話を進めている」と言う。

 3月の時点で、マイナー落ちしている選手を中心に選定作業を進めた。もうひとつの重要な要素は、日本球界の経験だった。使用球を始め、日米の野球の違いは依然として大きい問題だ。特に投手にとって、微妙な感覚の違和感で結果を左右することもある。昨年には野手補強で西武に在籍したブラゼルを入団させた経緯もある。スタンドリッジも慎重に調査を重ね、獲得に踏み切った。

 交渉は順調で、詰めの段階に入っている。メディカルチェックなどクリアすべき問題はあるが、阪神入りに支障はない状況。近日中にも正式契約を交わす方向だ。これで4月初旬の合流も見えてきた。強力打線が自慢の真弓阪神にとって、先発を強化すれば、快進撃の可能性もグッと高くなる。現在は開幕投手の安藤をはじめ、6人の先発ローテーションで回す予定。スタンドリッジの加入で、誰かが不調になれば、すぐにカバーできる態勢は整う。

 [2010年4月1日12時17分

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