<ヤクルト3-5横浜>◇25日◇横浜スタジアム

 初めてのお立ち台でプロ初勝利を実感した。横浜のドラフト2位ルーキー加賀繁投手(25)が5回をガイエルのソロだけでしのぎ、うれしいウイニングボールを手にした。「日曜日でお客さんがいっぱい入っていて、初登板の時の次くらいに緊張しました。試合終了までベンチでドキドキしてました。早く1勝したいと思ってたんでうれしいです」と顔をくしゃくしゃにした。

 内角を攻める投球が光った。「前回のヤクルト戦ではあんまり使ってなかったから」という右打者内角へのシュートが効いた。4回には宮本のバットを折って二ゴロに打ち取った。勝利投手の権利まであと1アウトとなってから、連打を食らったが、村田から「投げ急ぐな。結果は後からついてくるものだ」と諭され、最後は青木を内角直球で二ゴロに抑えた。

 埼玉平成高までは長嶋茂雄氏のようなスリークオーターで一塁へ送球する華麗な三塁手だった。上武大進学後、ある日の紅白戦前に谷口監督から「投手をやってみろ」と言われたのが運命の転換点。内野手だった影響か「上からは投げられない」と、一番力の伝わる今の投げ方になった。サイドは上投げの2倍は練習しないといけないをモットーに猛練習に励んだ。下半身に負担のかかるフォームをものにし、プロ初勝利までたどりついた。「今の状況?

 うれしすぎてわかんないです」。苦労は報われた。【竹内智信】

 [2010年4月26日8時35分

 紙面から]ソーシャルブックマーク