<巨人8-2広島>◇25日◇東京ドーム

 赤ヘルナインよ、奮起せよ!

 広島が巨人打線の1発攻勢で沈んだ。1回に先発の小松剛投手(23)が小笠原に先制2ランを浴び、2番手の上野弘文投手(29)も4回に投手のオビスポにソロ弾を献上。3本塁打を許して完敗し、3連戦3連敗を喫した。野村謙二郎監督(43)も「奮起しないと」と危機感をあらわに。今季の巨人戦は6戦全敗で、開幕からのカード6連敗は1959年以来51年ぶり。横浜と並ぶ最下位に転落した。

 完膚なきまでにたたかれた。広島投手陣が、巨人のお家芸である空中戦に持ち込まれ、被弾を繰り返した。3発を浴びて大敗。継投も実らず、今季の巨人戦はいまだに白星はなし。51年ぶりに開幕からカード6連敗を記録し、野村監督も苦々しげに言う。

 「巨人に当たると打たれるのは高い球で、非常にもったいない。3つやられ、お得意様になっている。奮起しないと。悔しい思いがなければ戦っていけない」

 東京ドームでは09年7月2日以来、これで8連敗。いまや「鬼門」のイメージだ。強打者が多い巨人相手に、ことごとく甘い球を痛打された。1回1死一塁。先発小松が投じた小笠原への内角速球はシュート回転し、真ん中寄りへ。いきなり右翼に先制2ランを浴びてつまずいた。3回で降板し2敗目。「ああいうところで1発を打たれ、まだまだ…。悔しい」と話した。

 指揮官のアドバイスも実らなかった。長打を警戒すべき巨人戦。野村監督は投手陣の前で「思い切って行け!

 本塁打を恐れず、自分の投球をしろ」とハッパをかけていた。無用な重圧を和らげる配慮だったが、通じず。4回には上野が、バットを強振するオビスポに曲がらないスライダーを左翼席に運ばれるなど、救援陣が結果を出せない。

 打線も2回に2点を奪って同点に戻したあと、沈黙した。野村監督も「チャンスを作って1本出るけど、そのあとが続かない」と嘆く。16日の中日戦から3連勝し、上位をうかがう機運があったが、横浜と並ぶ最下位の5位タイに逆戻りしてしまった。【酒井俊作】

 [2010年4月26日12時1分

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