阪神が2年契約最終年を迎えた真弓明信監督(56)に対し、来季続投を要請する方針を固めたことが17日、分かった。南信男球団社長(55)が神戸市内で取材に応じ「基本路線として、そういう方向というのはある」と明かした。安藤、能見、岩田の先発3本柱を欠きながらも、リーグ2位をキープ。大和や藤川俊ら若手の育成も評価されている。今後の戦いぶりを見て、シーズン中にも正式に要請する可能性がある。

 阪神が来季も真弓監督に指揮を託す方針を固めた。南球団社長が明言した。「基本路線として、球団でそういう方向というのはある」。今年は2年契約の最終年で、去就問題が今オフの最大の懸案事項だった。指揮官も勝負の2年目と位置づけたが、ここまで32勝26敗1分けで首位巨人から3ゲーム差に迫る2位と健闘。先発3本柱の不在に、金本の負傷というアクシデントに見舞われながらも、全員野球でカバーしている。また若手も順調に育成していることも評価が高い。

 シーズンは残り85試合あり、先行きは不透明だ。ただ球団は続投への明確なラインを引く考えはない。南球団社長は優勝を条件に掲げなかった。「明確なものはない。戦いぶりというか、来季に希望がもてるというか。戦力がボロボロになって、最下位とかでは違うが…」。現状で監督を代える理由は何ひとつない。坂井信也オーナー(電鉄本社社長=62)も同意見だった。「話し合ってはいないが、全く同じだろう。異論を唱えるほど何かがある訳ではない」と言う。

 今後のペナントレースを注視していくのは当然だが、状況次第ではシーズン中にも正式に続投要請する可能性はある。球団の理想は長期政権だ。南球団社長は「一般論として、監督は長くやってほしいというのはある」と話した。フロントの早期の「続投宣言」は、現場と一枚岩で戦っていくことの裏返しでもある。一致団結で巨人追撃の足場を固めた。

 [2010年6月18日11時39分

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