頼もしい男が戦列に復帰する。右肩痛のため2軍調整中だった広島横山竜士投手(34)が、10日の阪神戦(マツダ)から1軍に復帰する。9日に抹消された林昌樹投手(30)に代わり、6月10日以来、2カ月ぶりの復活だ。この日、マツダスタジアムに姿を見せた横山は「責任を感じている部分もある。必死で投げたい」とチームへの貢献を誓った。先発陣を、帰ってきた右腕が強力にサポートする。

 満を持して、横山が1軍に戻ってくる。この日、10日からの1軍復帰に向け、荷物整理のためにマツダスタジアムを訪れた横山はきっぱりと言った。「(チーム低迷の)責任を感じる部分もあるし、復帰したら必死で投げたい」。

 右肩痛のために6月10日に登録を抹消、その後、復帰に向けて調整を続けてきたが、戻ってくるまで2カ月もの時間を要した。「(抹消期間の)10日で帰るつもりでいたが、思ったよりも時間がかかってしまった」と横山。戦列復帰できない悔しさを味わいながら地道なリハビリに取り組んできた。横山は「自分の体を治すのに必死だった」と明かす。

 7月30日にようやく2軍で実戦復帰。8月6、7日には連投テストも行った。「連投できるかどうかが(1軍復帰の)条件だったので、それはクリアできた。ボールも思い切って全力で投げられるようになった」と復調に手応えもつかんでいる。

 今季序盤、守護神永川勝、シュルツが相次いで戦列を離れ、横山は本来のセットアッパーから抑え役に回った。4セーブを挙げたが自身も肩痛で離脱。その後チームは勝ちパターンをつくれず、中継ぎ陣が打ち込まれ試合を落とすことも増えた。救援陣は好調な投手を抑えに回すなどやりくりに苦労してきたが、横山が復帰すれば中継ぎ・抑えのバリエーションが増す。

 左腕大島が抑えとして安定感ある投球を見せており、新外国人チュークも8日の巨人戦で最速152キロをマークするなど本領を発揮し始めた。これにセットアッパーも抑えもできる横山が加われば、新たな勝利の方程式づくりも可能だ。大野ヘッド兼投手コーチも「(横山の復帰は)明るい材料だね。チュークも使えるメドが立ったし」と期待する。頼もしい右腕が戻り、まずは阪神を迎え撃つ。【高垣誠】

 [2010年8月10日10時24分

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