<横浜2-1中日>◇29日◇横浜

 ああ、3強で1人負けだがね。オレ竜が拙攻で最下位横浜に2カード連続の負け越しだ。ディオニス・セサル外野手(33)を約4カ月ぶりに2番でスタメン起用したが、打線がつながらず。10安打を放ちながら1点しか取れなかった。落合博満監督(56)は「入れ替えるなら全員入れ替えたいよ。アメリカのオールスターを連れてくるよ」と怒りのジョークで得点力不足を嘆き、31日広島戦(ナゴヤドーム)から打線改造のてこ入れを示唆した。

 スタンドの竜党は最後まで得点を信じて、声をからした。1点を追う9回、ハマの守護神山口を攻めて無死一、二塁。だが、谷繁の送りバントは猛チャージした一塁山崎が好処理。三塁、一塁へと転送されて痛恨のダブルプレーだ。最後は堂上直が中飛を打ち上げて敗戦が決まった。「ああ~…」。横浜の夜空にいつもより深いため息がこだました。

 2度目の対決となった横浜大家に対し、チャンスはつくった。2回を除いて毎回、走者を出した。それでも10安打を放ちながらホームを踏んだのは1度だけ。前回の対戦で大家から2安打しているセサルを4月以来、4カ月ぶりに2番でスタメン起用したが、助っ人は2三振を含む4タコと精彩を欠いた。クリーンアップ3人が2安打ずつ放ったにもかかわらず、打線はまったくつながらなかった。「勝っても、負けてもピッチャーだ」が口癖の指揮官もこの夜ばかりは、打線の拙攻を嘆いた。

 「きょうは野手だよ。ずっとそうだ。バント失敗?

 そんな問題じゃない。みんなは知らなくていい。火曜日、水曜日になればわかる。入れ替える選手なんていない。どこにいるんだ」

 落合監督は選手の1、2軍入れ替え以外のてこ入れを示唆した。投手力が武器のチームだが、得点力不足は深刻。打順の再考も含めた打線改造があるのか。いずれにしても三つどもえの優勝争いから脱落する前に対策が急がれる。

 “お得意様”である横浜に2カード連続で負け越したのは06年8月以来、4年ぶりのこと。首位阪神がヤクルトに大勝しただけに、ショックの大きい負け越しだった。

 「入れ替えるんだったら全員、入れ替えたいよ。アメリカのオールスターを連れてくる。そしたら点取れるだろ。まあ、たら、ればの話だけど」

 あまりのフラストレーションからか、指揮官の口からは荒唐無稽(むけい)なジョークまで飛び出した。ただ、優勝をかけた明日なき戦いの中で後ろを振り返ることに意味はない。31日からは圧倒的な強さを誇る本拠地ナゴヤドームでの6連戦。打線をよみがえらせ、前に進むしかない。【鈴木忠平】

 [2010年8月30日11時58分

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