逆転Vローテだ!

 中日が吉見一起投手(25)を上位の巨人、阪神との直接対決にぶつける逆転Vローテを組む。吉見は次回、中7日で9月3日の巨人戦に登板し、中5日の変則で同9日の阪神戦に回ることが濃厚。同21日からの阪神戦での登板も予想される。残された上位との直接対決全カードでマウンドに上がり、逆転での4年ぶりリーグ優勝へ、フル回転する。

 もうこれ以上負けられない。残り24試合。逆転Vをつかみとるためにエース吉見に託されたのは、残り3カードある阪神、巨人との直接対決でのフル回転だった。

 「ここまで来たら、カードの勝ち越しではなく、全部勝つつもりでいきたい。高校野球のように、負けたら終わりという気持ちでいかないと。明日はないんで一戦必勝です」。

 吉見はこの日、ナゴヤ球場でブルペン入り。フォームを確認し、9月3日の巨人戦登板に備えた。「前回は球数が少なかったんで(肩に)多少張りがある状態で投げたかった」。登板間隔が普段よりも1日多く、前回の球数が45球と少なかったこともあり、登板4日前に異例のブルペン入り。「決して状態は悪くないんで、いい感じで試合に入りたい」と、青写真を描いた。

 巨人戦は今季6試合を投げ4勝1敗。前回26日の登板ではまさかの5被弾を食らい、2回7失点でKOされたが、頭の中は冷静だ。「悔しさはあるが、気にしていても一緒。反省するところは反省して、なかったことにして次にいきたい」と、リベンジへの思いを温めている。

 巨人戦の後には阪神戦が待っている。今季5試合で2勝2敗と勝敗は五分だが、消化試合数がリーグで最も多い中日は、負け数で阪神、巨人を上回っており、負けられない戦いが続く。そのためにも吉見の力は必要不可欠。9日の阪神戦以降は中5日、中4日での過酷なローテも予想されるが「いかないといけないと思っている」と、エースとしての自覚も十分だ。

 現在11勝と最多勝も狙える位置にいるが「チームが優勝できなかったら一緒。リーグ優勝するのが目標なので、個人の成績よりも、1つでも順位を上げたい」と、優勝にこだわりをみせる。2年連続最多勝よりもつかみたいものがある。エース吉見がフル回転でチームに勝ちを運んでいけば、自然と逆転Vも近づいてくる。【福岡吉央】

 [2010年8月31日11時23分

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