米スポーツ専門局ESPNの電子版は9月29日、ソフトバンク多村仁志外野手(33)が今オフにフリーエージェント(FA)権を行使して米大リーグへ移籍する可能性があると報じた。同局は西海岸のチームへの移籍を希望していると伝えた。

 球団の小林至取締役(42)は同30日、報道を受け「まずは本人と直接話したい」と慎重な姿勢を示した上で「全力で引き留めます。当然、手放せない。明日(1日)以降に話をするつもり」と流出阻止をはかる方針をあらためて示した。多村は今季、自己最多の140試合に出場して打率3割2分4厘、27本塁打、89打点とチーム3冠王の活躍でリーグ制覇に貢献。シーズン中にもダイヤモンドバックスやレンジャーズ、ジャイアンツなどの球団が視察に訪れていた。米国でも動向が報じられたことで、現地での注目度の高さがうかがえる。

 球団側は「選手のためにならない」と複数年契約に消極的な姿勢を示しており、交渉が難航する可能性もある。オフを家族のいる横浜で過ごし、この日夜に福岡へ戻った多村は「話すことはない。(自分は)何も言ってないし(CSや日本シリーズが)終わってから」と話すにとどめた。まずは日本一を目指す戦いが最優先だが、交渉の行方も注目される。

 [2010年10月1日11時3分

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