中日が4年ぶり8度目のセ・リーグ優勝を果たした。7月には最大で8ゲーム差をつけられたが、圧倒的な投手力で夏場から逆襲し、9月10日に首位浮上。試合のなかった1日、阪神が広島に敗れ、球史に残るデッドヒートを制した。

 岩瀬仁紀投手(35)が守護神として3度目の優勝をつかんだ。優勝決定後、ナゴヤドームに駆けつけ「苦しいシーズンだったけど、優勝という形で終われてホッとしている。まだ実感はないが、これから出てくると思う」と、喜びをかみしめた。

 今季は54試合に登板し、1勝3敗3ホールド42セーブ、防御率2・25の活躍。昨年はシーズン終盤に右腕のしびれで登板を回避したが、今年は守護神の座を明け渡すことなく、最後までマウンドに立ち続けた。

 12年連続50試合登板、6年連続30セーブという前人未到の記録も樹立。プロ通算250セーブを挙げ、名球会入りも決めたが「個人の結果は引退してから振り返ればいい」と、最後までチームの勝利に徹した。その一方で、チームスタッフ全員に段ボール箱いっぱいの記念品を贈るなど、裏方への感謝も忘れなかった。

 リリーフ陣の底上げに尽力した1年でもあった。河原のいなかった今年、岩瀬はブルペンの最年長として、積極的に後輩にアドバイスを送った。打たれて落ち込んでいる選手には「お前は落ち込むような選手じゃない。次の登板で結果を出せ」と、肩をたたいて励ました。左右のセットアッパー浅尾、高橋が成長を遂げたのも、岩瀬の存在があったから。マウンドの外でもベテランの味を発揮した。

 [2010年10月2日8時51分

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