<フェニックスリーグ:ソフトバンク3-6巨人>10日◇サンマリン

 ソフトバンク松中信彦外野手(36)が、CSでの「3番OK」を強烈に示した。フェニックス・リーグ巨人戦に3番左翼でスタメン出場。6回裏の第4打席で、巨人金刃からこの日チーム唯一の適時打となる右翼線二塁打を放った。CSファイナルステージでは左翼でオーティズ、DHでペタジーニとポジションを争う。この日は両助っ人が無安打。「結果が出たことが1番」と、CSにかける並々ならぬ意気込みを見せた。

 何が何でも、自身のバットでチームを日本シリーズへと導く。右ひざ手術の影響で出遅れ、故障にも苦しんだ今季は、わずか11本塁打。シーズン終盤の西武3連戦で2試合連発を放ち大逆転Vへの立役者となったが、取り返せたとは思っていない。この日も「今日打たなかったら(CSに)出られない」と、悲壮な決意で試合に臨んだ。試合前練習が終わりナインが昼食休憩を取っている間も、ひとり黙々とランニングを行い試合に備えた。

 6回表の守備では、直後の打席に立つための緊急措置として中堅の守備に就いた。「野球人生で初めて。飛んでこなくてよかった」。打球こそ飛んでこなかったが、打者によって細かく守備位置を変えるなど、慣れない守備位置を無難にこなした。死球退場した長谷川が長期離脱となれば、試合展開によっては松中が中堅を守る可能性もゼロではない。四球で出塁した初回には、一塁走者として、二塁走者川崎との重盗にも成功。走攻守に魂を込める主砲が、CS突破のキーマンになる。

 [2010年10月11日10時41分

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