阪神久保康友投手(30)のCS出場に黄色信号が灯った。13日に甲子園で行われた投手練習で、グラウンドに現れなかった。12日のシート打撃で左すねに打球が直撃しており、完全別メニューで治療を行った。本格練習再開のメドは立っておらず、予定されていた巨人とのファーストステージ第2戦の先発も不透明になった。首脳陣はチーム最多14勝右腕の登板回避も想定し、先発ローテーション再編の検討を始めた。

 甲子園での投手練習。能見、スタンリッジ、秋山とグラウンドに出ていく中、背番号34の姿はなかった。負傷した左すねの状態が心配されていた久保は、甲子園の室内施設にこもっていた。プールでのトレーニングや治療など別メニューを消化し、グラウンドに姿を見せず球場をあとにした。

 12日に新井の打球を左すねに受けた。当日はアイシングや患部の血抜きを行うなど腫れがひどくなるのを防いで様子を見ていたが、一夜明けた状態は楽観できるものではなかった。

 この日、久保と話した山口投手コーチは「今日は中(室内)でできることをやっている。片足跳びもできるし、大丈夫でしょう。彼はいろいろな技術を持っているから(予定通り)行ってくれるでしょう」と期待を込めた。ローテーション再編の可能性についても「揺るぎません」と一度は言った。だが実際には、やはり最悪のシナリオを想定せざるをえない状況だった。

 14日も通常メニューをこなせるメドは立っていない。同コーチは「外には出てくる。キャッチボールくらい。力を入れてみないと分からない部分もある。最悪の事態?

 ないことはない。用心しとかんと」と神妙な顔つきに。すでに久保不在のパターンを検討しているのが現実だ。

 本来、ファーストステージは能見と久保で一気に勝ち抜けを図り、3試合目にもつれればスタンリッジが待機。20日からのファイナルステージ中日戦も、初戦の秋山をはさんで3本柱を中4日で投入していく盤石のプランだった。

 だが2番手久保が抜ければスタンリッジが2戦目に繰り上がり、秋山も巨人戦に前倒し。中日戦では安定感に欠けるメッセンジャーを大事な初戦と6戦目に立てることになり、さらにもう1人先発を用意しなければならない。計り知れない痛手だ。現時点では何もかも計算が立たない。

 シーズン終盤、先発不足の中で中4日登板をこなし、チームを支え続けた右腕を襲ったアクシデント。今は回復を祈るしかない。

 [2010年10月14日11時9分

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