秋のオカダ塾が開講した。オリックス岡田彰布監督(52)が13日、秋季練習で初めて直接指導に動いた。投手陣が調整する神戸第2に足を運び、ブルペンで小松聖投手(28)をつかまえた。「投げ方がまた前に戻っとる。力が伝わってない。理にかなった投げ方せんと故障するよ」。一連の投球動作を見て、球と指の引っ掛かり具合が物足りないと指摘。数球ごとにジェスチャーをつけて、声をかけた。その表情にはシーズン中のような厳しさが戻っていた。

 前日まで口数の少なかった指揮官のスイッチがこの日は静から動へ切り替わった。バットを握って投手陣のノックに参加した。ブルペン指導後には小松を外野の芝にあおむけに寝せ、上空に向かってスナップを使った投球練習を指示。さらに正座して外野フェンスに向かって投げさせるなど、内野出身ながら投手コーチ顔負けの熱の入ったレッスンを重ねた。

 今季の小松は5月から先発復帰し、最終的に5勝8敗。右脇腹骨折でシーズン終盤を棒に振った。岡田オリックス2年目の逆襲には先発陣強化が必須だ。「小松は球種が多いし、タイプ的には先発やな」。シーズン終了から約2週間。知将の頭脳が来季に向けて働き出した。【押谷謙爾】

 [2010年10月14日11時4分

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