<セCSファーストステージ:阪神6-7巨人>◇第2戦◇17日◇甲子園

 阪神が2年契約の最終年を迎えた真弓明信監督(57)に対し、複数年契約の提示を検討していることが17日、分かった。2年契約が基本線で、近日中にも交渉する方向だ。CSファーストステージで敗退したが、球団フロントの信頼は揺るがない。坂井オーナーは10日の取材で「僕個人は真弓に2、3年と考えているけど、考えているだけで…」と話しており、厚い信頼を契約年数で表現することになる。

 この日の試合は、本拠地甲子園でまさかの2連敗。球団初のCS突破はならなかった。短期決戦に弱いという負の伝統をぬぐい去れず、真弓監督も厳しい表情を浮かべた。「ここ一番で、どうしても勝負できなかった。来年に向けての課題が残った」。4点もリードしながら、終盤に守備の乱れをきっかけに、藤川と久保田が踏ん張れなかった。大幅に打線を入れ替え、6得点を挙げたが、歯車がかみ合わなかった。「あれしかない継投をやっている。(野手が)足を引っ張った所もあるし…」と振り返った。

 今季はファンに優勝を届けられなかったが、指揮を執る情熱は失っていない。試合後、クラブハウスで行ったミーティングではナインの前で「また来年やり返そう」とリベンジを誓った。勝負どころで勝てない体質をどうすれば、改善できるのか。真弓監督は言った。「野手で言うと、球際だ。強くなってほしいし、打つ方では選球眼。ストライク、ボールの見極め。投手も、もうひとつ攻めていく気持ち。こういうところをひとつずつ強くしていきたい」。浮き彫りになった課題の克服がV奪還の鍵を握る。帰路に就く前に、来季続投の意欲を聞かれた。「変わらんよ」。雪辱心を胸に、就任3年目のシーズンに臨む。

 [2010年10月18日10時42分

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