阪神ジェイソン・スタンリッジ投手(31)が18日、来季の15勝を誓った。4月のシーズン途中入団にもかかわらず、先発陣の一角としてチーム2位の11勝をマークした。来季も契約延長して阪神でプレーすることを熱望した上で、シーズンフル稼働で成績アップを目指す。来季から球界に導入される「統一公式球」も手配し、米国帰国の準備を整えた。

 助っ人右腕の視線は、すでに来季へ向けられていた。荷物整理のため訪れた甲子園クラブハウス前。約1時間の滞在後、息子のキャッシュ君を引き連れたスタンリッジは来季の目標を公言した。

 スタンリッジ

 今年は21試合に先発して11勝した。確かに満足した部分はある。ただ、来年は30試合に先発すれば何勝できるか。自分自身で楽しみな気持ちもある。

 単純計算で15勝。今季に置き換えればチームトップの久保(14勝)越えはもちろんのこと、リーグ最多勝に輝いた広島前田健と同数の勝ち星が照準だ。チーム打率2割9分の球団記録を樹立した強力打線のバックアップを受ければ、決して不可能な数字ではない。久保、能見、故障からの復活を目指す岩田も加えれば、V奪回を狙う投手陣容が整うことになる。

 目標実現に、すでに手も打った。今日19日に米国へ帰国予定だが、来季から導入される「統一公式球」の手配を球団に済ませた。「2ダース頼んだよ。もちろん練習するためにね。ちょっと使ったことあるけど、今の公式球とそんなに変わらないかな。ちょっとメジャー球に似てる感じ」。違和感は抱いていないが、オフ期間中に少しでも抵抗をなくし、新球への対応を図るつもりでいる。

 現段階で来年の所属は未定だが、球団は契約を更新する方向。スタンリッジ自身も「来年もまた阪神でプレーしたいと思っている」と意欲満々だ。巨人とのCSファーストステージでは第3戦に先発予定だったが、出番がないまま10年シーズンは幕を閉じた。「あそこでこういう風にしていればという思いは、考えれば考えるほどたくさん出てくる」。消化不良感を晴らすのは、来季15勝の野望だ。

 [2010年10月19日12時1分

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