ソフトバンク王貞治球団会長(70)が26日、今年度の文化功労者に選定された。プロ野球界からは同じ巨人OBの川上哲治氏と長嶋茂雄氏に続いて3人目の受賞。会見で「喜びというより驚きの方が大きい。(野球界の)みんなでやったことの代表という立場と受け止めている」と謙虚に喜びを口にした。

 現役時代に世界記録となる868本塁打を放っただけでなく、監督としても06年の第1回WBCで優勝を果たすなど世界レベルの実績が評価された。「実際には思い通りにいかない時の方が圧倒的に多い。お客さんの前では日の目を見るけど、基本は陰の部分が多い。コツコツやってきたことが結果として出る」。好きな言葉は「七転び八起き」。今季はCSファイナルステージで涙をのんだチームにも「本当に悔しいけど、だからこそ来季が楽しみ」とエールを送った。

 今後の目標には「五輪競技復帰」を挙げた。「世界で野球の組織を広げたり、厚くしたりしてやっていかないと」。現在は世界少年野球推進財団理事長を務め、世界的普及にも尽力する。70歳を迎えても野球への情熱は尽きない。

 「無我夢中で白球を追いかけて、自分の好きなことを50年やってきた。こんな幸せはない。ますます身をただして、野球界の発展や若手育成のために頑張らざるを得ない」。また1つ増えた“勲章”を胸に、止まることなく挑戦を続けていく。【太田尚樹】

 [2010年10月27日11時22分

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