ソフトバンクが05年の球界参入以降初めてFA戦線で複数選手獲得に乗り出す方針を固めたことが1日、分かった。球団幹部が2選手補強に準備を進めていることを明らかにした。すでに横浜内川聖一内野手(28)の獲得を目指すことが有力視されているが、さらに捕手補強にも積極的。W補強方針の準備を整えたソフトバンクが、今オフの国内FA戦線の主役を張りそうだ。

 ダイエー時代の94年オフに西武工藤、同石毛の2選手をFA補強して以降なかった国内FAでの複数選手獲得へ、ホークスが準備を整えた。この日、球団幹部がW補強に積極的であることを明言した。

 「FAで最大枠補強?

 可能性は大いにあると言えます。2人ですね」。国内FAによって獲得できる最大枠は宣言選手数によって違いがあるが、原則2選手が通例。ソフトバンクが球界参入した05年以降では初めての大型補強作戦が進行していた。2選手獲得に動く場合は、野手1人と捕手1人の可能性が高いと見られる。

 中でも注目されるのは捕手強化だ。動き出す場合の優先順位も整理されている。打撃の重視。データのある同一リーグという点を考慮する。関係者の話を総合すると、オリックス日高剛捕手(33)や西武細川亨捕手(30)、ロッテ里崎智也捕手(34)らの動向に注目していると見られる。

 球団は今オフの最重要補強ポイントを右の先発投手に定めているが、国内FAでは対象選手が少ないことを懸念。現在進めている外国人による補強が現実的となっている。野手強化では横浜内川がFA権行使を明言しており、すでにソフトバンクも今季182安打のヒットメーカーをターゲットの1人としてリストアップ。この日、FA権行使をほのめかした日本ハム森本稀哲外野手(29)も対象になる可能性を秘める。

 10月29日にはシーズン終了報告を受けた孫オーナーが「(補強は)遠慮無くおっしゃっていただきたい」と全面的な支援を約束。ドラフトは将来性を重視した戦略をとっただけに助っ人補強のほか、FAのダブル補強にもGOサインが下されたようだ。

 資金面でも支障はない。CSファイナルステージを最大の6試合実施したことで、8~10億円ほどの収益を生み出した模様。さらに今年9月中間決算では、ソフトバンクモバイルが5期連続で過去最高益を記録するなど、業績好調なグループがバックにある。

 日本シリーズ終了後。ソフトバンクがFA戦線の最前線に立つのは間違いない。

 [2010年11月2日10時26分

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