美人先生と汗だく1時間!?

 宮崎で秋季キャンプ中のソフトバンクが5日、エアロビクスを導入した。女性フィットネストレーナー2人を招き、杉内、和田らA組の22選手がレッツダンス!

 体の連動性や俊敏性を高めるのが目的で、故障防止の効果も期待した異例の取り組み。ナインは汗だくになりながらも、華やかな練習シーンに笑顔が絶えなかった。リーグ制覇を果たしながらもあと1歩で日本シリーズ進出を逃したホークスがリズミカルにリベンジのステップを踏んだ.

 「ワンツー、ワンツー」。若手中心で猛練習が繰り広げられているソフトバンクのキャンプ地に、笑顔がはじけまくった。第1クール同様に午前10時からのウオーミングアップを終えたA組の選手が、なぜかそろって室内練習場へ移動。待っていたのは、2人の美人フィットネストレーナーだった。

 「ハイ、そこお尻上げないでー。足踏みはもっと速くっ」

 普段は男性の声しか聞かれない練習場に、透き通るような美声が反響した。声の主はフィットネストレーナーの渡辺瑶子さん(26)と吉田麻里子さん(24)。エース格の杉内、和田を始めとして救援の摂津、馬原、野手では本多、長谷川と主力選手が美人先生の動きと声につられるように、慣れないエアロビクスに没頭した。ほぼ休憩なしで60分間。汗だくになったナインの表情は笑顔と充実感でいっぱいだった。

 ある若手選手は「毎回やってくれたらやる気がでますね」とよからぬ?

 発想をポツリ。最年少19歳の今宮は「ヤバかったっす。楽しかったです」と興奮を隠しきれなかった。

 球界史上初とみられるキャンプ地でのエアロビ導入は、秋山幸二監督(48)と山川コンディショニングコーチの話し合いで決まった。「足と手の連動性であるとか、普段は出ないところにそれぞれ筋肉の張りも出ると思う。何か気づいてもらえれば」と山川コーチ。秋山監督も「プレーの中でもいきるよ。この時期しかできないから。何かつかんでオフの期間にいいものを取り入れてくれればいい」。異種目からヒントをつかむことに期待した。

 リーグ連覇へ向けて、故障防止の意識を高める狙いもある。今秋キャンプには93年にボディービルの世界大会で6位に輝いた高西文利氏(55)と臨時コーチ契約もかわした。故障しにくい体づくりのために、各選手に筋肉をつけるべき部位を指導する。秋山監督は「強くないといけないけど、強くしなやかじゃないとダメだからと」と、エアロビとボディービルの相乗効果を狙っている。

 今季盗塁王の本多は「リズム感も出るし、俊敏性とか足の動きは野球に生きると思う」と早くも効果を実感。今回のエアロビトレは7日までの3日間の予定。ただ選手の評判がよく、今秋キャンプ中にも2人の美人トレーナー再登板を望む声もある。強さと柔らかさを手に入れて、ソフトバンクが来季の日本一を目指す。【倉成孝史】

 [2010年11月6日10時55分

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