またやっちまった…。ソフトバンク松田宣浩内野手(27)が、鳥越裕介内野守備走塁コーチ(39)からキャンプ初カミナリを落とされた。3日に患った腰痛の影響で、この日から別メニュー調整。昨年の秋季キャンプ第2クールでの発熱に続き、2年連続して不名誉なリタイア第1号となった。大砲候補として期待されながらシーズンでも2年連続で故障による長期離脱を強いられた松田に、鳥越コーチは容赦なく説教した。

 ウオーミングアップをはじめる選手の輪の中に、松田の姿がなかった。少し離れた外野の一角。鳥越コーチの話を直立不動で聞く、松田がいた。

 「あんまり、人に言うことじゃないから内容はね。今まで思っていたことも含めてちょっと話をしただけ。2年連続?

 それをどう受けとめるか。あと何日で通常メニューに戻ってくるか」

 松田に落とした“カミナリ”を、鳥越コーチは落ち着いた声で説明した。決して大きな声を出すわけではなく、2人で静かに話し込んでいた。だがその表情は終始厳しいもの。お説教そのものだった。

 第1クール最終日の3日、松田は特守で腰に違和感をおぼえ、途中で切り上げた。球場を離れる際には「全然大丈夫です。明日(4日)1日休めばまた第2クールから頑張ります」と話していた。それでもこの日の朝になっても違和感は消えず、別メニュー調整が決定。秋山監督は「やわな体してんな。やわな体。準備とかケアとかしっかりやらないとね」と、鳥越コーチと同じく厳しい口調で突き放した。

 首脳陣の手厳しい言葉は、期待しているからこそだ。大砲候補といわれながら、ここまで5年間で20本塁打到達はなし。昨年、今年とシーズン中に故障による長期離脱を強いられた。来季こそ、の思いで本人も首脳陣も秋季キャンプに入ったが2年連続のリタイア第1号では笑えない。

 別メニューで自転車型トレーニング器具やウエートトレーニングに励み、午後2時に球場を後にした。「昨日(の状態)よりいい。できることをしっかりやって、なるべく早く戻りたい」。失態のつけは、今後の練習と来季の成績で返すしかない。

 [2010年11月6日10時15分

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